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TDLの新アトラクションとして提案しようよ「籠渡し」=「飛騨の山と越の海」(40)

遅塚麗水の紀行文集「日本道中記」(近代デジタルライブラリー所収)シリーズから、「飛騨の山と越の海」の40回目です。飛騨地方の名物の風習というか、ならではの風物と言えるものに「籠の渡し」というのがあります。wiki なかなかに面白い仕組みで、かなりのスリルも味わえます。麗水の説明を読みましょう。



一九 籠の渡し

 大礀1)シンタン、橋を架すべからざるところ、『2)籃渡』をもて交通す、其の最も人に知られしは、飛騨の谷村と越中の蟹江村の境なる神通川の渓谷にありしもの是れなりしが、今や長橋を架し国境橋と称せり、然れども3)キュウザン幽谷数家の村の交通は今尚ほ此の籠の渡に頼るものあり、余の見たるは船津の北一里、餅が淵の上に在りたりし、籠の渡の制は、先づ両岸に井字形に木を構へて太き4)苧綱を張り5)す、之れを命綱といふ、籠は獼猴(しら)口藤をもて作り大いさ膝を抱いて坐するに足る、籠に四条の獼猴口藤を附す、これを柱藤といふ、命綱に懸く、籠の前後には二条の綱を結びて之れを両岸に引く、渡る人籠の中に立ち、両腕6)しく桂藤に絡みて中心を誤まらざらんことを勉む、渡守乃ち綱を引いて人を渡すなり、命綱は常に緩みて弓のごとくなれば、渡る時、岸を離れて渓の半に至るまでは、其の疾きこと箭のごとしと、別に藤橋といふあり、獼猴口藤の数条を合せて巨綆を作り、両条並び懸けて上に木板を敷くもの是れなり。

★「獼猴」は「大きなサル」。「しら」は「ましら」でサルの異称。「しら口藤」は「白口藤」という植物。その蔓は強靱でつり橋の縄にはもってこい。

★「巨綆」(きょこう)は「巨大な縄」。「綆」は「いどのつるべのなわ」。



Wikiにもありますが、安藤(歌川)広重が描いた六十余州名所図会「飛騨 籠渡図」が有名です(ここ)。

一度乗ってみたいものですが、残念ながら現在は危なくて存在するわけはありません。ディズニーランドのニューアトラクションとして提案してみたらいかがでしょうか?




1) シンタン=深潭。ふかいふち。深淵とも。

2) 籃渡=かごわたし。断崖や急流の上などに綱を渡して籠をつり、その中に人や物を入れて渡すもの。飛騨・越中が名高い。かごのわたし。「籃」は「かご」。「ふせご」「かたみ」とも。音読みは「ラン」。籃輿(ランヨ=竹を編んでつくったかごの乗り物)。

3) キュウザン=窮山。辺鄙な山奥。「窮」は「行き詰まり、一番奥の処、はて、へんぴないなか」の意。

4) 苧綱=おづな。麻で綯ったつな。「苧」は「からむし」。イラクサ科カラムシ属の多年草。茎の皮は弾性に富み強靱。「お」と訓めば、カラムシからとった繊維で作った糸のこと。苧環(おだまき=つむいだ麻糸を、内をからに、外を玉のようにまるく巻いた物)、苧殻(おがら=麻の皮をはぎ取った茎、麻がら)。苧麻(チョマ)。

5) 亘す=わたす。通常は「わたる」と訓む。端から端までとどく。「亙る」が正しく誤用から派生。

6) 緊しく=きびしく。「緊しい」は「きびしい」。きつくひきしめるさま。しっかりとひきしめたさま。
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2007.10 1級合格①
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