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漢検1級試験問題演習=幸田露伴「折々草」・その4

 幸田露伴の「折々草」で漢字検定1級試験問題シリーズの4回目です。本日は読み問題と書き取り問題の混成です。引き続き筑摩書房「明治の文学」全25巻の「第12巻 幸田露伴」(福田和也編集解説)から引用しております。

 ㋐~㋡の漢字の読みをひらがなで記せ。①~30のカタカナを漢字に直せ。

 

■ 百種の職に身を置くもの、各々進めの①ラッパの声を天より受けて其道々に突貫奮闘なしてこそ、真実に国も力つきて、寂光極楽世界をば占領するにも至るべけれ。

 

 ①〔 喇 叭 〕

 

■ 彼の敵国の②リゲンにすら、将軍馬を下らず各自前程を走るとさへ云ふものを、況んや有為の我が国民の単に精神の一致といふことを知るのみにて、職分の独立といふことを忘れ果ては可なるべきや。

 

 ②〔 俚 諺 〕

 

■ 其詩客は其詩を綴るの現在に於て、机にり筆を執り③フギョウ思索する間に、詩の正報即ち自己心中無限の快楽を必ず受くることなるべし。

 

 ③〔 俯 仰 〕

 

■ 望ましきは文学者美術家の④バクザツならざる目的を懐きて、其現時の戦争等についての製作品を直ちに若くは未来に於て出さんことを欲するの真情あらんことこれなり。

 

 ④〔 駁 雑 〕

 

■ 或は悠然として自ら衛り羽翼既に成りぬと誇るもあり、紛々片々として蓮花の天より堕ち神将の⑤ウンクに馳駆するが如きを観るのみ。

 

 ⑤〔 雲 衢 〕

 

■ 同じ様なる種々の失敗は記すも㋐きまで繰り返されぬ。種々の人によりて説かれたる種々の教へは、確実に其一半をもて我を将来の成功に近づかしめ、其一半をもて我を現在の失望に居らしめたりし。

 

 ものう・き〕

 

■ 春の夜のいと静にして㋑瓶中の花かすかに(にほ)ふ時、我がほかに人無くして然も声あり、心を専にしてこれを聴く。

 

 へいちゅう

 

■ 煙の柳の梢を掠めて飛び翻へる燕の声⑥ナンナンたるを聞くあらば卿自ら聊か慰むに足らん。

 

 ⑥〔 喃 喃(喃 々) 〕

 

■ 蟻は虫の至つて微なるものなり、されど其苦行の善果は三冬の淋しき日にあたつて⑦シッシュツの徒に誇るに足るなり。

 

 ⑦〔 蟋 蟀 〕

 

■ フして庭前の蟻を見よ、⑧シュンシュンとして動くもの恐らくは卿を励ますならん。

 

 ⑧〔 蠢 蠢(蠢 々) 〕

 

■ おのれの人に知られざる時、詩人ならずば、恐らくは㋒き恨と憫むべき㋓(り)と堪へざらむも、幸にして卿は詩人たり。

 

 ㋒〔 ひく・き

 ㋓〔 いか・り

 

■ 今は焼野となりたるところに瓦の欠けたるものと⑨チュウエイの焚え残りたるものとを拾ひて綴ぢ集めて家つくらんとするの人なり。

 

 ⑨〔 柱 楹 〕

 

■ 卿を㋔慫慂て草なく木なき沙漠のた中に井を鑿らせんとするものあらん。

 

 ㋔宛字訓読み〔すすめ・て〕

 

■ 卿の前路には卿の行を無益なりとして㋕めんとするの関守あらん。

 

 ㋕〔とど・め〕

 

■ 婬女の美目好笑をもて卿を流連せしめんとするものあるべし、其は世の栄華を⑩カザシにせる力の極めて強き魔なり。

 

 ⑩〔 挿 頭 〕

 

■ 迷ふとも行け、㋖驀直に行け。

 

 ㋖宛字訓読み〔まっしぐら

 

■ 卿仆れて死すとも卿の⑪ココツは卿の子孫のためによき途の㋗たるべし。

 

 ⑪〔 枯 骨 〕

 ㋗〔 しるべ

 

■ 人の碁を囲み局に対するに当って傍より⑫チョウチョウ助言するものあり。

 

 ⑫〔 喋 喋(喋 々) 〕

 

■ 鷲は天の高きに㋘けりて⑬ソウボウの裏に幾十里の山河丘谷の位置形勢を納るものなり、⑭ミミズは地の卑きに居て少許の泥土を⑮ドントするものなり。

 

 ㋘〔 ・けり 〕

 ⑬〔 双 眸 〕

 ⑭〔 蚯 蚓(螾・蚓) 〕

 ⑮〔 呑 吐 〕

 

■ 其図孤山の下樹木⑯ユウスイの処に題して林⑰ショシ盧とありければ、和靖欣然として⑱ウナズきしと云ふ。

 

 ⑯〔 幽 邃 〕

 ⑰〔 処 士 〕

 ⑱〔 ・き 〕

 

■ 尭の時は尽大地是洪水、尽大地是⑲ジュウテイ鳥跡、其後水土の漸く平かなるを得て民に⑳カショクを教へしなり。

 

 ⑲〔 獣 蹄 〕

 ⑳〔 稼 穡 〕

 

■ 蓋し洪荒の天地た一片乾坤の21ソウコウを具へ得るのみ、何ぞ曾て受用のところあらん、天子の尊きも22ボウシ剪らず23ボクカク(ボッカク)剪らず。

 

 21〔 草 稿 〕

 22〔 茅 茨 〕

 23〔 樸 角 〕

 

■ 24ロッキュウの衣聊か以て寒を禦ぎ、惟天下の楽みを享くる無きのみならず、且天下の憂をむるあらむとす。

 

 24〔 鹿 裘 〕

 ㋙〔 あつ・むる

 

■ 万人に通ずるは道理なり、一人の私は気質なり、気質の偏りたるを25むる工夫を知らざるを生まれだちのまの人といふ。

 

 25〔 ・むる 〕

 

■ 木挽町に車を走らせんよりは中川べりに26イッカンを携へて、枡の内に窮屈を堪へんよりは桶27ビクに腰を休むるかた、吾が性に合ひたりと思ひ居るほどの町人にさうらへば、日曜といふ日曜は昔の絵師の書きしといふ其馬鹿者の馬鹿仕事、魚釣三昧に日を送りて、なかなか芝居を見にも参らず、球28ウキのうきうきと面白く世を経るも、板錘子の沈みがちに詫びて身を取りなすも、人それぞれの心々なり。

 

 ㋚〔 おもり

 26〔 一 竿 〕

 27〔 魚 籠 〕

 28宛字訓読み〔 泛 子 〕

 

■ たまたま評判のしきに誘はれて、生旦浄末の一出一入に一日の眼をさらせばとて、直に兎角を云ひ出んは、まことに29オコの限りにして、面羞しき沙汰にさうらふ。

 

 ㋛〔  かしま・しき 

 ㋜〔 おもはずか・しき

 29〔 烏 滸 〕

 

■ 世に忌はしきは一知半解の輩の聞取法問耳学文もて我賢顔に口をたき、花の中にも枯木を捜す啄木鳥根性のせこましく、あのもの30を入れ廻り、或は孔雀の羽を拾つて自己が色無き身を飾らんと思ひし譬喩の鴉の如くに、誰が型は如是、誰が案じは如是、かうかうかくかくかあかあと声喧しうぎ立て、見もせぬ古人の仕たることを身の金箔に借りて異う高ぶる、俄仕立の評者にさうらふ。

 

 ㋝〔 さわ・ぎ

 30〔  〕

 

■ 気は釣の直なれど、旋毛は曲れるあること迄申上さうらふ。

 

 ㋞訓読み〔 いと

 ㋟訓読み〔 つむじ

 ㋠訓読み〔 はり

 ㋡訓読み〔 とげ
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不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
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漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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