スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

チャンスはピンチに胚胎する…順風満帆が一番危ういぞ

本日の岩波文庫「菜根譚」(今井宇三郎訳注)は、ピンチとチャンスが交互にやってくるのは当然としても、それぞれの予兆はそれぞれの前の段階で胚胎しているということを説きます。禍福は糾える縄の如し。ピンチはピンチなりに人を磨く。チャンスはチャンスなりに人を盪かす。さてさて、どっちがいいのでしょう。いや、どっちも来ない方がいいのでしょうか。


【前集九九】

居逆境中、■■皆鍼砭薬石、砥節礪行、而不覚。処順境内、■■尽兵刃■■、銷膏靡骨、而不知。

逆境の中に居らば、1)シュウシン、皆鍼砭薬石にして、節を砥ぎ行を礪きて、而も覚らず。順境の内に処らば、2)マンゼン、尽く兵刃3)カボウにして、膏を銷し骨を靡して、而も知らず。



【解釈】 人間、逆境にあるときは、身のまわりのすべてがはりや薬で、それで節操をみがいているのであるが、しかも本人はそれを知らずにいる。これに対して、順境にあるときは、目の前のすべてが、刃や戈で肉を溶かし、骨を削られていることに気付いていない。


逆境と順境。有卦に入る、無卦に入るという易の世界の言葉もあります。それぞれ長く続くことはあっても永遠に続くことはないというのが大前提。少なくとも迂生は一生逆境だった人、一生順境だった人がいたことをしりません。知らないだけかもしれませんが、それを公言した人は知りません。となると、どちらも無い方がいいのかもしれません。平坦に、抑揚無く、生きることができればそれに越したことはないのかも。しかし、残念ながらそうはいかない。人間は喜怒哀楽するために生きていると言っても過言ではない。したがって、順境、逆境は多少の長さにちがいはあれど交互にやってくる。しかも、逆境は人にさまざまな教訓を教えてくれるので、それを乗り越えた暁には一歩成長している。ところが、順境は順境で、人知れず肉を溶かし、骨を削る、つまり、知ってはいけないこと、知らない方が良かったことを教え込んでしまう。慢心ですね。気がつけばとんでもない事態を招いている。高みにあると勘違いしてしまう時が人生で一番危い時なのです。一気に落ちる。速い。ジェットコースターのようです。平坦がいいのですが、それは無理。ジェットコースターは落ちる時は怖いですよね。どうすればいいのか。天狗にならないことです。どんなに自分に有利な風が吹いていようとも、有利だと思ってはいけない。不必要に卑屈になったり弱気になる必要もないが、根拠も無しに、今の自分の境遇を受け入れるのだけはやめましょう。どこに落し穴が潜んでいるかは分からない。どんな利益も不利益になるということを常に肝に銘じることです。人生、何十年なのかは分かりませんが、毎に学ぶことです。いいことも、悪いこともひっくるめて学びなのです。年齢上下は無関係。時間は平等。使い方で差が出る。体も調子も大事だ。心地の良い人生は棺の蓋を覆うまで訪れないと思った方がいいのです。


正解などは続きにて。。。




1) シュウシン=周身。全身、からだじゅう。

2) マンゼン=満前。目の前のすべて。みわたすかぎり。満目(マンモク)。満地(マンチ=地上残らず)、満山(マンザン=山全体)、満志(マンシ=思いがかなって得意なこと)、満溢(マンイツ=満ち溢れること)、満盈(マンエイ=じゅうぶんに満ち足りること)、満酌(マンシャク=杯いっぱいになみなみと酒をつぐこと、満斟=マンシン=)。

3) カボウ=戈矛。ほこの総称。「戈」は「ほこ」、「矛」は「やり型の武器」。戈剣(カケン=ほこと、つるぎ、攻撃用の武器の総称)、戈甲(カコウ=ほこと、よろい、武具のこと)、戈船(カセン=ほこを載せた舟、いくさぶね)、干戈(カンカ=たてとほこ、転じて戦争)。


兵刃(ヘイジン)は「戦いに使う刃、武器。転じて、いくさ」。兵仗(ヘイジョウ)、兵械(ヘイカイ)ともいう。

「鍼砭」(シンヘン)は「病気の治療に用いるかねばりと石ばり、転じて、あやまちをなおす、いましめのこと」。「鍼」は「(金属の)はり」、「砭」は「いしばり」。砭鍼(ヘンシン)ともいう。鍼艾(シンガイ=はりともぐさ、転じて、いましめ・教訓)。鍼石(シンセキ=いしばり、いましめ・教訓)。砭灸(ヘンキュウ=治療に使う石ばりと、お灸)、砭愚(ヘング=愚か者に石のはりをうって治療する、愚かな者をいましめることのたとえ)。

「薬石」は「病気を治す薬と鍼(はり)」。薬石無効(ヤクセキムコウ)と言えば、「治療が効かないこと、転じて人の死をいう」。

「膏を銷し骨を靡して」は面白い表現です。「膏」は「あぶら、肥えた肉」、「靡す」は「こする、すりへらす」の意。靡散(ビサ=ちりぢりになる、すりへって消え去る)、靡爛(ビラン=ただれてぼろぼろになる)。四字熟語として「銷膏靡骨」(ショウコウビコツ)として覚えておこう。絶対試験には出ないが、心には戒めとして刻むことができる。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

profile

char

Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

calendar
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
recent entry
recent comment
category
monthly archive
search form
RSS links
links
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。