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漢検に新しい級も?=新「常用漢字表」が内閣告示

本日11月30日は我が国の漢字使用の目安である「常用漢字表」が新しくなって内閣告示された日であります。柳橋新誌シリーズをお休みして常用漢字に絡んだ雑感を認めることをお許しください。新しい「常用漢字表」は文化庁のホームページ(HP)から見ることができます。一度ご覧になることをお勧めします。

現行の1945字から5字(匁、錘、銑、勺、脹)を削除し、新たに196字を追加し、合計2136字で構成されています。その「前書き」には、①この表は、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの②この表は、科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。ただし、専門分野の語であっても、一般の社会生活と密接に関連する語の表記については、この表を参考とすることが望ましい③この表は、都道府県名に用いる漢字及びそれに準じる漢字を除き、固有名詞を対象とするものではない④この表は、過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない⑤この表の運用に当たっては、個々の事情に応じて適切な考慮を加える余地のあるものである――と謳われています。要するに目安ですよ、だからあくまで全部読める必要はないですよ、書ける必要もないですよ、もちろんこれ以外の漢字も使ってもいいですよ、ということです。

常用漢字表を改定しようという議論の出発点となったのは、国民が漢字に触れる場面が急速に増えたことです。すなわち、パソコンや携帯電話などの普及に伴い、キーボードでひらがなさえ打って変換できれば簡単に漢字にすることができる。これが大きい。したがって、漢字の数を増やす必要性が生じていた。とはいえ、無尽蔵に増やしても国民が混乱するだけ。漢字使用頻度の調査をしたりして、ぎりぎり抑制的に増やした結果がこの2136字だったわけです。三鷹の「鷹」を代表として、「なぜ○が入って●が入らないのか」といった不満は百出。その線引きには文化審議会漢字小委員会も苦労しました。

今回は細かな字種のあれこれを論じることは控えます。ただ、「鬱」や「彙」など増えた196字に議論が集中しがちですが、「関わる」(かかわる)や「育む」(はぐくむ)など既存の常用漢字で新たな読み・訓みが加わっていることも忘れてはなりません。

ここで注目されるのは、不祥事を受けて一頃のブームが完全に去ったとはいえ未だ根強いファンも多い「漢検」を主宰する日本漢字能力検定協会の動向です。同協会は本日、「常用漢字表の改定に伴う日本漢字能力検定の対応について」をHP(ここ)上で公表しました。以下はその全文の写しです。

平成22(2010)年11 月30 日に常用漢字表が内閣より告示されましたことに伴い、日本漢字能力検定における対応方針について発表いたします。

日本漢字能力検定においては、新しい常用漢字表に合わせて審査基準を変更し、新しい審査基準に基づく検定を平成24(2012)年度第1 回検定より行います。

なお、平成22(2010)年度第3 回検定や、平成23(2011)年度の各回検定は、現行の審査基準に基づいて行います。

平成24(2012)年度第1 回検定からの新しい審査基準の詳細については、平成24年度の検定日程とともに平成23(2011)年8 月頃発表いたします。

一年あまりの猶予期間を経て2012年度から新しい基準で検定をするという。詳細は不明ですが、最多の受検者のいる「2級」が最も影響を受けるでしょう。現在は常用漢字1945字すべてを対象としています。教育の世界では新しい「常用漢字表」を2012年度から適用しますが、「中学校で常用漢字の大体が読める、高校で常用漢字の主なものが書ける」という枠組みは変わらないため、漢検「2級」の枠組みも2136字といきたいところですが、その負担感の重さは相当なものです。増える196字の多くは現在の「準1級」配当漢字の20%弱です。

ところが、単純な字種数だけでは済まないのです。それに付随した熟語、慣用句・故事成語、四字熟語、熟字訓まで含めるとその奥行きと幅は一気に広がります。簡単なことではない。「2級」といえば学校の内申書や就職の資格になる優良物件ですから、取得しようという受検者の熱意は半端なものではありませんが、これに水を差すことは必定でしょう。受検者が減るような真似は漢検協会とて得策ではないでしょう。「新しい審査基準」という言い方をしていることから邪推すると、新たな級を設けるのではないか、という仮説も立てられます。あるいは、配当漢字を割り振るか。

現在の「準2級」「準1級」も含めて配当漢字をどう割り当てどんな枠組みにするのかが焦点となりそうです。ま、「1級」は無関係だと思いますが。。。漢検協会や関連の業界にとっても、新たな教本の販売という“特需”が期待できるわけですから、慎重に、かつ、受検者の興味・関心を擽るような方途を企画してくるものと思われます。来年の8月を待ちましょう。

最後に話変わって、本日11月30日は「濹上漁史」こと成島柳北の126回目の祥月命日でもあります。明治17年(1884年)、肺に病を獲て死去しました。享年48歳。当時は、朝野新聞社長を務める傍ら、我が国文芸雑誌の走りである「花月新誌」を主宰し、自らも数々の作品を発表していたほか、当時、小新聞と呼ばれていた「読売新聞」の社説「読売雑譚(よみうりぞうたん)」欄のコラムに寄稿していました。彼が「読売雑譚」に寄せた記事は百二十二編あり、最晩年の唯一まとまった論稿集として貴重な資料を提供しています。「読売雑譚集」(ぺりかん社)と銘打って乾照夫氏の編により刊行されており、その詳細な内容を知ることができます。軽妙洒脱な文体と諧謔性に富んだ文章は相変わらずですが、現代社会にも通じる啓蒙の書としても大変興味深い内容となっています。現在連載中の「柳橋新誌」二編シリーズが終了後、幾つかの記事を取り上げて紹介してみようと考えています。
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Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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