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断れし雲の幽夢事茫々たり=露伴「幽夢」4

幸田露伴の「幽夢」(講談社文芸文庫「運命 幽情記」)で漢検1級試験の直前演習問題シリーズの4回目です。元の妻・唐氏との再会、そして哀れな彼女の死は陸游の詩興に火を点けます。寤寐思服、浮かぶ思いが言葉となって連ねられるのです。

★物移り景ア)る世の習、さしも幽雅なりし沈氏の園もまた月日経て衰へ廃りければ、1)ギンカイ寂しく動きて、亦復詩あり。

 楓の葉は初めてイ)うして ウ)の葉は黄み、
 河陽の愁の髩は 新なる霜に怯ゆ。
 林亭に旧を感して 空しく首を回らすも、
 泉路 誰に憑りてか 膓を断てるを説かむ。
 壊れし壁の酲題 塵漠々たり、
 断れし雲の 幽夢 事茫々たり。
 年来の俗念 消除し尽し、
 回向す 蒲エ)に2)イッシュの香。          (「幽夢」P271~272)

1)ギンカイ=吟懐

2)イッシュ=一炷

ア)遷る=うつ・る

イ)丹う=あか・う

ウ)槲=ならがしわ(かしわ)

エ)龕=ガン

★壊壁断雲の一3)レン、嗚呼まことに悲しからずや。しかも詩人の深情、終に之にとゞまらず、其の人死して猶これを忘れず、其の園荒れて猶これを懐かしみ、人と園と倶に皆雲烟の外に滅えて復尋ぬ可からざるに及びても、情魂詩魄、有無明幽の間にあくがれて、4)ヨウビョウたる夢のオ)にまた沈氏の園に遊び、残灯孤影、カ)めて後に二章の詩を為せり。

 路は城南に近くして 已に行くをキ)る、
 沈家の園の裏 更に情を傷ましむ。
 香は客の袖を穿ちて 梅の花在り、
 緑は寺の橋を蘸して 春の水生ず。

 城南のク)小陌 又春に逢ふ、
 只梅花を見るのみにして 人を見ず。
 玉の骨は久しく成りぬ 5)センカの土と、
 墨の痕は猶し鎖す 壁間の塵

 如何ばかり忘れ難き深き情懐なりけん。世にあはれなる物語とはなりぬ。
 (「幽夢」P272)

3)レン=聯(連)

4)ヨウビョウ=杳渺(杳眇)

5)センカ=泉下

オ)裏=うち

カ)寤めて=・めて

キ)怕る=おそ・る

ク)小陌=ショウハク
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Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
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2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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