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下戸の人はスイキョウに辿り着けまへんなぁ=「如亭山人遺藁」再スタート

本日の漢検試験はいかがでしたか?前回通り平易な内容だったかどうかは気になりますが、おいおいとその内容は明らかにされるでしょう。さて、弊blogは柏木如亭の「如亭山人遺藁」(岩波書店刊行)シリーズに戻ります。

そういえば「巻二」がまだまだ終了しておりません。まだまだ先は長いです。

「余が量、蕉葉に勝へず。客途雨に阻まるるも、酒を以て消遣すること能はず。乃ち一絶を作る」という長い詩題です。

蕉葉(ショウヨウ)というのは、底の浅い、少量しか入らない酒杯のこと。すこし変わった言葉ですが、「苕渓漁隠叢話後集・回仙」という書物に「飲器中、惟鐘鼎為大、屈卮螺杯次之、而梨花蕉葉最小」というくだりがあります。如亭は下戸ですから、蕉葉のような小さな杯でもすぐに酔いが回ってしまうのですが、旅の道中にながあめで足止めを食らっても、酒を飲んで憂さ晴らし(消遣)するわけにもいかず、さすがに詩人だけあって絶句を一首ものしたというわけです。

豈に1)ハイシャクの清寥を破る無からんや
2)タンパン 粗茶 幾朝を過ぐ
3)スイキョウ深き処に向ひて去らんと要すれば
山重なり水ア)なりて路4)チョウチョウ



1)「ハイシャク」

杯杓。酒杯と酒を汲む杓子。転じて飲酒そのものを云う。「拝借」といきたいところですが意味が…。「清寥」とは、清らかな静寂。淒寥、凄寥、凄涼、淒涼、清涼などもほぼ同義とみていいでしょう。「寥」は「しずか」「さびしい」とも訓む。鳥の羽がまばらに開き、うつろである様子を表している。「寂寥」(セキリョウ)、「寥落」(リョウラク)、「寥廓、寥郭」(リョウカク)、「寥亮」(リョウリョウ)=「寥戻」(リョウレイ)、「寥寥」(リョウリョウ)、

2)「タンパン」

淡飯。粗食のこと。摶飯、攤飯が浮かび、こちらの方がよさそうでもありますが。。。あっさりと調理された質素な食事のことです。その次の「粗茶」がヒントかもしれません。

3)「スイキョウ」

酔郷。酒を飲んだ時の快い気分のこと。酔ったあとの夢見心地を表します。酔狂や酔興も浮かびますね。でも、ここはやはり酔郷。もの好きという意味では雰囲気があまりにも軽くなってしまいます。如亭詩では詩本草にも登場(ここ)。蘇軾の「飲湖上初晴後雨」(ここ)にも「晩雨留人入酔郷」がありましたが、ご記憶ですか?


4)「チョウチョウ」

迢迢。みちがはるかかなたまで続くさま。「迢」は「はるか」。悵悵、佻佻、帖帖、蝶蝶、諜諜、喋喋、丁丁などがライヴァル候補。喋喋は「喋喋喃喃」(チョウチョウナンナン=小声で睦まじく話し合うさま、男女が仲良い形容です)をしっかりと押さえましょう。

ア)「複なる」

かさ・なる。重なること。表外訓み。陸游の「游山西村」という詩に「山重水複疑無路、柳暗花明又一村」がある。

最後の句は「酔郷の境地」になかなかたどり着けないことを寓意しています。如亭は旅人です。グルメです。それなのに酒を嗜めない不幸をしょっている。中国の詩人で「下戸」というのはあまり聞いたことがありませんね。そういう意味では如亭は稀有なる詩人かもしれません。
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Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
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2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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