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漢検本番直前演習問題①=幸田露伴「幽情記」

日本漢字能力検定協会主宰の漢字検定試験(2009年度第2回=11月8日実施)が、またまた何事もなかったかのように近づいております。(実際は受検者も激減し、1級試験の問題内容は宛ら受検者に媚びるかのように平易になっておりますが)またまた思い付きですが、ご好評(??)の「如亭山人遺藁シリーズ」を暫くお休みさせていただいて(ぶっちゃけ、1か月も続けると飽きます)、漢検1級の本番を意識した演習問題を拵えようと思います。

今回も迂生は受検しません。「不惑」を過ぎて礑と漢字学習に目覚め、「知命」まであと5年を切った“おっさんblogger”は、これまで07年度第2回、08年度第3回の2回合格という栄誉に浴させてもらっています。ロートルにとって正直、漢検向けの勉強はしんどいです。何故かというと「不合格になりたくないから」、ただそれだけですが、その内容も“テクニカル”に走ってしまう側面もありますし(国字とか熟字訓は単なる詰め込み学習というかゲーム感覚というか、ですよね)…。漢検は意識するものの「何度も受けるものではないだろう」というのが迂生の真の気持ちです。「検定」という枠に拘束されること無く、縦横無尽に古人糟魄を嘗めると同時に、自分の糟魄を残したいのです。

ここまでは正直な気持ちを吐露しましたが、とはいえ、やはり「漢検1級の合格」を目指して挑戦されている方々(特にお若い方)を応援したい気持ちは持っており、迂生が積んできた「体験」や、培ってきた「思い」をベースにして、某かのお役に立てるコンテンツが提供できれば幸いとも思っております。このblogを執筆している動機付けでもあり、これも偽らざる本音です。1級という最難関を突破するには何と言っても過去問であり、「過去問至上主義」こそが合格(160点)への捷径と言えるでしょう。迂生の場合は漢検の過去問等に強くありませんから、古の人によって認められた糟魄である文章などから採録するしか「能」がありません。これはこのblogが一貫してきたスタンスです。

検定試験向け問題としてはこれまでも、白居易の「長恨歌」や中江兆民の「一年有半・続一年有半」などを素材にしてきました。幸田露伴の「いさなとり」や「折々草」も用いました。

今回は露伴の「幽情記」(底本は講談社文芸文庫刊の「運命・幽情記」)を題材にします。

なぜに「幽情記」か?といえば、その「引」によりますと「詩詞の事にたづさはりたる筋ある物語の類を蒐めて」「物語には皆詩詞あり、詩詞なきは収めず」とあり、中国の詩にまつわる物語をベースにして露伴が脚色したものであり、つまり、迂生がこのところ進めている「漢詩学習」の流れに沿うものなのです。短編のオムニバス形式なので読みやすい。

そして、毎度申しておりますが、露伴の「文体」は晦渋ながらその「語彙」こそ漢検の“最高峰レベル”を極めるには持って来いの素材なのです。漢詩が必ず登場して露伴の作品を味わえ、漢字検定にも役立つと言うなら、まさに「一箭双雕」ならぬ「一箭“三”雕」ではありませんか。

おっさんは話が絮くなりがち。前口上はこれくらいにしてとっとと問題に行きましょう。

本日は読み問題。とにかく読んで読んで読みまくってください。ただし、A)~D)は音読み、1)~18)は訓読み(表外訓み、熟字訓読みを含む)です。


★宋の代に真西山と聞えたるは、其のA)するに当りて、天子震悼したまひて、為に朝を1)めたまひしほどの人なり。(「真真」P143)

★敢然として信ずるところを枉げず、韓侂胄(カンタクチュウ)が偽学の名を立てゝ善人正子を排けしより、程子朱子等が一代の心力を2)して聖賢の学を講明せる著述も、皆禁ぜられて廃せんとするに当り、奮つてB)斯文を以て自づから任じ、講習して服行したるの偉は、他の及ばざるところなり。(「真真」P143~144)

★仕へて参知政事に至り、死して銀青光禄太夫を贈られ、文忠と3)せられ、生きては一世の大儒として人の仰望するところとなり、死しては聖学の巧臣として後の推服するところとなりたり。(「真真」P144)

★されども子の志道が家学を伝へしのみにて、不幸にして其4)は聞えずなりぬ。(「真真」P144)

★同情ある春風の訪ふに溢るゝ花の露、はら〽と泣いて俯きつ、身は5)落魄れて浅ましく、かく成下り候ふものに、氏も素姓も候ふべきや、御答御免をたまはりたし、と6)む。(「真真」P145)

★包むに奥の猶ゆかしく、身を愧ぢて氏を匿すも然ることながら、浮沈ある世の例、運命の悪きを誰か7)らむ、抑如何なるものぞ、と懇篤なり。(「真真」P145)

★他の為したることより連坐の罪逃るゝ方無く、8)の官財を盗めりといふ恐ろしき名を被りて9)囹圄に投ぜられ、償還済までは10)頸枷を11)され難き憂さ悲しさ。(「真真」P146)

★遂に胆煎る者のあるまゝ、嗚呼申すも情無く、思ふも辛き其月其日、妾が身をもて12)に代へ、父の負債を塡め侍りぬ。(「真真」P146)

★13)はいまだ貴からねば、出づるに車馬もあらずとは云へ、14)も教あるものとて、旦の火、夕の水に労を厭はず、荊釵布裙の清貧を甘なひて、C)瓊筵綺席の虚栄を脱せるを喜び、鸚鵡復恋はず黄金の籠、鴛鴦ひとへに悦ぶ青潭の棲、睦み語らひて年を経へるが、男も後漸く顕官たるに至り、共に白髪のいとめでたく楽しく一生を終りけるとぞ。(「真真」P147)

★一物に一心あり、心中より生意を発生し、又無限の物を作す。蓮の実の中に謂はゆるD)幺荷といふものあるが如き、便ち儼然として一根の荷なり。(「真真」P148)


★故に其の15)むところの生意16)に発出すれば、便ち近くしては親を親しみ、推しては民を17)み、又推しては物を愛し、可ならざる所無し、以て四海を覆冒し、百世を恵利するに至るも、亦此よりして之を推すのみ。(「真真」P149)

★真真は紹祖の系に出づるか、同祖の系に出づるか、今これを18)らにすべからず、たゞ西山の後を談るの因に、山民の後なるを挙ぐるのみ。(「真真」P151)




【正解】

1)・め 2)つく・し 3)おくりな 4)すえ 5)おちぶ・れ 6)いな・む 7)そし・ら 8)あがた 9)ひとや 10)くびかせ 11)ゆる・さ 12)たから 13)おとこ 14)おんな 15)つつ・む 16)わずか 17)めぐ・み 18)つば・ら A)シュッ(する) B)シブン C)ケイエン D)ヨウカ 

(正解はカーソル反転で、主な解説はcharのmixi日記にて→link参照)
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char

Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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