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陶淵明、杜甫…エロすぎる禅僧?一休さんの「通信簿」=漢詩学習

エロすぎる禅僧こと一休宗純が生涯で詠んだ詩偈、法語などすべての漢文作品を集めた「狂雲集」(講談社「日本の禅語録十二 一休」、加藤周一 柳田聖山)を古書肆にて入手しました。さすがは一休、エロ詩や超然たるトリッキーな詩が多い。「吸美人婬水」というのもありますが、……ここではエロ詩はもう輟めておきます。まだまださらっと目を通しただけですが、まあ、エロは扨措くとしても、なかなか面白いし、漢字の勉強にもなります。そんな中で、「第三章 夢閨の章」に、歴代の中国詩人を詠じた詩がずらりと出ているのに目が留まりました。

屈原、陶淵明、杜甫、白楽天、杜牧、蘇東坡、王安石…名だたる詩人を一休の切り口で詠んで捧げている。いわば一休による「通信簿」です。

まずは、陶淵明。

「愛紅菊淵明像(紅菊を愛する淵明の像)」。

赤心片々約秋風
西晋風流議未空
応是淵明□□
□□衰色晩花紅

赤心片々として秋風を約す
西晋の風流 議未だ空しからず
応に是れ淵明がヒカの血なるべし
トウリの衰色 晩花紅なり



陶淵明は一休好みの隠逸詩人と言っていいでしょう。「飲酒(二十首) 其五」の有名な一節「菊をトウリの下に采り(采菊東籬下)」を踏まえていますが、一休の手にかかると、その菊の色は何と「紅」になってしまいます。「トウリ」は言うまでもなく「東籬」。東の垣根。菊のイメージは黄色か白色かと思いますが、紅い菊というのは、淵明の内なる熱い血潮を含意している。田園に帰った淵明の一本気なところ。「ヒカ」は、①悲歌②悲笳③飛舸④皮下のうちどれが当てはまるかはもうお分かりですね?正解は「皮下」。

そして杜甫。
「杜甫像(杜甫の像)」。

天宝寒儒三十年
常呼虞舜仰□□
浣花渓水吟中涙
白髪江山夜雨前

天宝の寒儒 三十年
常に虞舜と呼んでソウテンを仰ぐ
浣花渓水 吟中の涙
白髪の江山 夜雨の前


各地を放浪する生涯を送った杜甫もまた一休好みの詩人です。仕官するのが遅かった杜甫には一休も共感を覚えています。天宝は玄宗皇帝が楊貴妃に湎れた時代を象徴する元号です。「寒儒」というのは出世が遅れた杜甫のこと。「虞舜」というのは、「舜」のことで、古代の伝説上の聖天子。姓は有虞氏。尭から位を譲られ、また自分の後任には禹を推した。杜甫は玄宗皇帝を「尭舜」の如く信奉し敬い、初めて官途に就くことができた。「ソウテン」は、①勦殄②層巓③掃殄④蒼天⑤曹霑⑥曾点⑦漕転⑧争点から選んでください。「仰ぐ」んですから、正解は「蒼天」です。「浣花」は、四川省成都の西、一名、濯錦江といい、杜甫が草堂を構えた場所。ここでの生活が生涯で最も安定していたと言います。「吟中の涙」は「春望」の「時に感じては花にも涙を濺ぎ」を想起したものでしょうか。杜甫は成都を離れ家族と共に長江を下り、晩年を流浪で暮らします。第四句は不遇をかこつままでの生活を詠ったものでしょう。「杜甫一生憂う」と言われる杜甫の人生こそ、一休の波長に合うものだったのでしょう。
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Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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