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「曲躬叉手」と「足恭諂詐」=「碧巌録」で四字熟語

 本日の「碧巌録」は、「曲躬叉手」(キョクキュウサシュ)と「足恭諂詐」(スウキョウテンサ)。

 「第九二則 世尊、一日座に陞る」の「頌」に対する「評唱」の最後に次の件があります。

 …僧、過(てわた)す。厳云く、「人を鈍置殺(こけ)にす」と。又た趙州に問う、「如何なるか是れ王、仙陀婆を索む」。州、禅床を下りて、曲躬叉手す。当時(そのとき)若し箇の仙陀婆有りて、世尊未だ座に陞らざる已前に透去(みぬ)かば、猶お較(たが)うも些子(わずか)なり。世尊更に座に陞り、便ち下り去る。已是に便(たより)を著(え)ずして了れり。那ぞ堪えん、文殊更に白槌するに。不妨(なかなか)に他の世尊の一上(ひとしきり)の提唱を鈍置(こけに)す。且て作麼生(いかなる)か是れ鈍置せる処。

 「曲躬叉手」は、「丁寧にお辞儀をするさま」。「躬」は「み=身」のことで、からだを弓状にまげるという意味もあります。「鞠躬」(キッキュウ)も体をかがめてお辞儀すること。「叉手」は「サシュ」または「サス」と読み、仏教語で「両手の指を組み合わせるさま」。ぶかぶかとお辞儀する時に単に両手を合わせるのではなくそれぞれの指同士も交差させているのです。


 「第九六則 趙州の三転語」の「頌」に対する「評唱」に次の件が見えます。

 …三祖の伝に云く、「二祖の妙法、世に伝わらず。頼(さいわい)に末後に依前のごとく他の当時雪に立つことを悟るに値う」と。所以に雪竇道く、「雪に立つこと如し未だ休めざれば、何人か雕偽せざらん」と。雪に立つこと若し未だ休めざれば、足恭諂詐の人皆な之に効い、一時に只だ雕偽を成さん、則ち是れ諂詐(へつらい)の徒なり。雪竇、「泥仏は水を渡らず」を頌すに、為什麼(なにゆえ)にか、却って這の因縁を引き来たりて用う。他参得して意根下に一星事も無く、浄「身+果」「身+果」地(きれいさっぱり)にして、方(はじ)めて頌し得ること此の如し。

 「値う」は「あう」。「遇う」の表外訓みです。

 「足恭諂詐」は「度を過ぎてうやうやしく、こびへつらい自分をいつわるさま」です。漢検四字熟語辞典には掲載されていません。ここでいう「足恭」は「論語・公冶長第五」の「巧言令色足恭」に出てくる有名な言葉。「巧言」は「言葉上手」、「令色」は「顔つきがいい」、「足恭」(スウキョウ、シュキョウとも)は「あまりにうやうやしいさま」。「足」を「スウ」と読むのが難しい。副詞の用法で「あまりにも…しすぎる、十二分すぎるほど…である」といった意味。

 「効い」は「ならい」と表外訓み。

 「一星事」は「働かすこと」。

 本日のmixi日記転載四字熟語は次の通りです。

★「徴羽之操」(チウノソウ)


 正しい音楽のこと。「徴羽」は古典音楽の階名である五音(音楽の音色、宮・商・角・徴・羽=順にド、レ、ミ、ソ、ラ)のうちの「ソ」と「ラ」の二つ。「操」はあやつる、うまく使う意。「淮南子」の「説林訓」。「チウ」と読むのは難しい。淮南子も入手できず難しい。。。


★「築室道謀」(チクシツドウボウ)


 意見ばかり多くてまとまらず、物事が実現しないこと。「築室」は家を建てること。「道謀」は道を行く人に相談する意。「家を建てようと思うんだけど、どんな屋根がいいですかね?外壁は?間取りは?」なんて聞いていると、Aさんは「瓦葺がいい」、Bさんは「モルタルがいい」、Cさんは「二階建てより平屋がいい」など甲論乙駁、議論百出、勝手な意見が飛び交いまとまらない。「結局や~~~めた」という落ちに。出典は「詩経・小雅・小旻」で「室を築かんとして道に謀るが如し」。路傍の人は無責任な意見しか言わないのだ。いや、寧ろ、自分の家を作るのに人に聞くという優柔不断な態度を戒める句かもしれません。むろん「断章取義」ですがね。。。


★「蠹居棊処」(トキョキショ)


 いたるところに悪人が蔓延っていること。木の芯を食う蠹(きくいむし)が木にいて、碁石が盤面に散らばるように、悪人がいることの譬え。「蠹蟲的存在如棋子遍布棋盤。比喻壞人深入社會、散佈各處。」との解説が某中国語サイトにありました。出典は韓愈の「潮州刺史謝上表」で「孽臣奸隸,蠹居棋處」。「旋乾転坤」(センコンテンケン)=国の政局を一新すること、「輦轂之下」(レンコクノモト)=天子の御膝下、「誠惶誠恐」(セイキョウセイコウ)=まことにおそれかしこまる、も同じ文章中に見えました。正直意味は分かりませんが、国難を天子に上奏している文章のようです。


★「道傍苦李」(ドウボウクリ)


 人から見捨てられ、見向きもされないものの譬え。「道傍」は道端。「苦李」は苦いすもも。道端の李は苦ければ誰も見向きもしないということ。あ、これって逆かぁ、美味しいと思ったものには罠がある、食べてみたら苦かった。そんなに安易に美味しいものが手に入らないことの戒めではないでしょうか。据え膳食ったら何とやらかも。。。。


★「投桃報李」(トウトウホウリ)


 善に対して善で報いることの譬え。桃が贈られれば、返礼として李を贈り報いる意。また、自ら徳を施せば人もこれを手本にする譬え。さらに友人の間の贈答のこと。「桃を投じて李に報ゆ」と訓読。出典は「詩経・大雅・抑」で「我に投ずるに桃を以てすれば、之れに報ゆるに李を以てす」。桃と李とどっちが価値があるのだろうか?分からん。まさか桃を貰ってに二倍返しで李ってことはないよなぁ。貰い損じゃんか。どんなに小さい恩義にもお返ししなければならんのか、恩義をもらったらちょっとでいいからお返ししなければならんのか。。。。?さあどっちが生きる道?


★「同袍同沢」(ドウホウドウタク)



 苦労を共にする親密な友。また、戦友のこと。衣服を共にする意から。「袍」はわたいれ。「沢」は肌着。一枚のパンツをお互い共有するって、、かなりやばい仲じゃない?「同袍」を「同朋」「同胞」と書き誤らないように注意がありますが、其の方がいいんじゃない?「同胞同沢」って、だめじゃん。「沢」の方がパンツだったよ。出典は「詩経・秦風・無衣」で「豈曰無衣、与子同袍、王于興師、脩我戈矛、与子同仇、豈曰無衣、与子同沢、王于興師、脩我矛戟、与子偕作、豈曰無衣、与子同裳、王于興師、脩我甲兵、与子偕行」。なんかリズムよさしそうな詩ですね。秦国の民草が意気揚々と戦に出る雰囲気が出ています。

★「鋳山煮海」(チュウサンシャカイ)


 財を多く蓄えること。「鋳山」は山から銅を採取して鋳て銭を作る意、「煮海」は海水を煮て塩を作る意。「山に鋳、海に煮る」と訓読する。出典は「史記・呉王伝」。某解説サイトに「呉には鄣郡の銅山があり、劉(前漢王朝の公子)は亡命者を招いて銭を私鋳し、また海水を煮て塩を製造した。そのため領民に人頭税を賦課する必要がなく、 国の財政は豊かであった。そして身代金によって人の身代わりに兵役に服する者には、官より時価の賃金を与えた。さらに季節ごとに国内の賢人の安否を問い、 村里の人々に賞賜した。」とあります。国が豊かで人民が霑ったということを言うようです。


★「中流砥柱」(チュウリュウノシチュウ)


 困難にあってもびくともせず、節義を曲げない人物の譬え。黄河の中に立って少しも動かない砥柱山→黄河河南省三門峡の東、陝州(センシュウ)にあり、聳え立つ砥石のように平らな岩石。己の信念を守り通し、時流に流されないさまを自然の景勝に譬えたもの。


★「重熙累洽」(チョウキルイコウ)


 光明をかさねて広く恩恵が行き渡ること。代々の天子が賢明であり、泰平の世が長く続くこと。「重熙」は光明をかさねる意、「累洽」は天子の徳があまねく行き渡る意。出典は班固の「東都賦」。「煕」は「洽」とも「ひろい、あまねし」という意味で「熙洽」(キコウ)=徳のある天子が次々と位を継ぐこと、という熟語もあり。


★「糶糴斂散」(チョウテキレンサン)


 豊作の年には政府が米を買い上げ、それを凶作の年に安く売ること。「糶」は米穀を売り出すこと、「糴」は米穀を買い入れること、「斂散」は集めることと放出すること。中国春秋時代に管仲に始まったという物価安定と食糧安保の一箭双雕を狙う経済政策。以前取り上げた、安いときに買い入れ、高くなったら売り出す「賤斂貴発」(センレンキハツ)に通じるものがある。「糶」は「うりよね」、「糴」は「かいよね」。部首は「米」で、音符は「抜擢」の「擢」=抜き取る、から。「出」と「入」の微妙な違いなので、抜き取って「米を売り出す(糶)、米を買い入れる(糴)」と覚えましょう。読めるだけでは駄目、書けなければいけない漢字です。
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Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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