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陶淵明の「閑情の賦」①=mixi日記から転載

 本日はちょっと忙しく「碧巌録」はお休みいたします。といってblog更新をサボるわけにもいかないので、mixi日記から陶淵明の「閑情の賦」シリーズを転載いたします。ご了承ください。

 本年3月8日~16日に連載しました。結構面白いですよ。陶淵明の意外な一面が。。
 夏の終わりに「ストーカー指南書」を堪能しませんか?ストーカーにならないために。。。


 陶淵明は隠逸の酒飲み詩人と称されていますが、結構エロチックというか、男の悶悶とした欲情を何とか抑えようとする苦悩を詠じた濃厚な「艶詩」があります。それが「閑情の賦」。恋しい「あの人」への熱き思いを、放逸に流れないよう何とか雍遏せんと惑う。「ストーカー」になってでもあなたのお側にいたい。。。でも、そんな端無いことはできない。。そんな狭間を泳ぐ「男心」は古代も現代も普遍ですな。

 岩波文庫「陶淵明全集・下」(P118~)から採り上げてみたいと思います。

 同書の解説によりますと、タイトルの「閑」は防ぎ止める意で、情欲が放逸に流れるのを抑圧すべきだというのがこの賦の主旨であるといいます。そして、この詩の評価は古来、大きく二つに分かれ、「淵明集の中の白璧の微瑕だ、百を勧めて一を諷(勧百諷一=百害あって一利なし)した者で、ついに諷諫がない、これは集中にない方がよい」「全く軽薄淫褻な作品で最も子弟を誤らせるものだ」などというネガティブ派が一極にある。そしてその対極として「詩経・国風の『色を好みて淫せざる』者で、これを非難する連中は、『小児強いて事を解する者にすぎぬ』と反駁している」というポジティブ派があり、昨今ではこちらが主流となっているようです。特に魯迅のお気に入りで「その大胆な恋愛観は中国文学史上稀有のものとして、ロシアの盲詩人エロシェンコにも紹介したことがある」と語っているといいます。

 淵明が最初の妻を亡ってから継室を迎えるまでの鰥居(やもめ)時期の作とする説が有力で、とすれば三十歳だと指摘しています。「帰去来の辞」を詠じる10年以上も前。まだまだ若いころの作品ですね。


 【閑情の賦】


 まずは、序文から。

〔序文〕

初め張衡、「定情賦」を作り、蔡邕(さいよう)は「静情賦」を作れり。逸辞を検えて澹泊を宗とし、始めは則ち蕩かすに思慮を以てし、而して終に閑正に帰す。将に以て流宕の邪心を抑え、諒に諷諫に助け有らんとす。

文を綴るの士、奕代継いで作り、並びに類に触るるに因りて、其の辞義を広めたり。余は園閭暇多く、復た翰を染めて之れを為れり。文の妙は足らずと雖も、庶わくは作者の意を謬らざらん乎。


 ■「逸辞」

 =「いつじ」。「逸言」ともいい、ルールを外れた失言。放埒に走った乱れた文章のこと。

 ■「検える」

 =「おさ・える」と表外訓み。「検する」(けん・する)と音読み動詞で訓読してもいいと思われる。封印すること。1級配当絡みでは「検覈」(けんかく)、「検讐」(けんしゅう)が基本熟語です。

 ■「流宕」

 =「りゅうとう」。勝手気儘で正しい道に合わないさま。「宕」は、きまま、ほしいまま。「跌宕」(てっとう)、「佚宕」(てっとう)、「宕子」(とうし)、「宕冥」(とうめい)。「蕩」と似ている。

 ■「諒」

 =「まこと」。見出し語。言葉や行為にうそやいつわりのないこと。明白な真実。誠実。「諒」は音読みで「りょう」。「諒陰」「諒闇」(以上りょうあん)、「諒解」(りょうかい)、「諒察」(りょうさつ)、「諒恕」(りょうじょ)、「諒承」(りょうしょう)、「忠諒」(ちゅうりょう)。「了」の書き換え字でもある。「諒陰」の読み方には注意が必要でしょう。

 ■「諷諫」

 =「ふうかん」。見出し語。それとなく忠告すること。遠回しにいさめること。また、その忠告やいさめの言葉。「諷」は「そら・んじる」「あてこす・る」「ほの・めかす」とも訓む。「諷詠」(ふうえい)、「諷誦」(ふうじゅ)、「諷意」(ふうい)、「諷刺」(ふうし)、「諷喩」「諷諭」(以上ふうゆ)、「吟諷」(ぎんぷう)、「諷経」(ふぎん⇔看経=かんきん)。「そらんじる」は「諳んじる」や「暗んじる」の方が一般的だろう。

 ■「奕代」

 =「えきだい」。見出し語にはないが小文字にはある。「奕世」(えきせい)とほぼ同義だろう。代々、よよ、世を重ねること。類義語は、「奕葉」(えきよう)、「累世」、「累代」、「仍世」(じょうせい)。「奕奕」(えきえき)も似た意味。「奕」は「かさ・なる」とも訓む。「奕棋」(えっき)は碁を打つこと、囲碁。「博奕」(ばくえき)もすごろくや碁をうつこと。熟字訓で「ばくち」とも訓む。

 ■「園閭」

 =「えんりょ」。見出し語なし。農村。「閭」は、むら、村里。「閭閻」(りょえん)、「閭里」(りょり)、「閭伍」(りょご)、「閭闔」(りょこう)、「閭巷」(りょこう)、「閭左」(りょさ)、「閭市」(りょし)、「式閭」「軾閭」(以上りょにしょくす)、「倚閭」(いりょ、りょによる)、「閭門」(りょもん)、「郷閭」(きょうりょ)、「村閭」(そんりょ)、「里閭」(りりょ)。

 ■「翰」

 =「ふで」。見出し語。筆、あるいは手紙や文章のことで、「ふみ」とも訓む。「翰を染める」で「文章を書くということ」。「染翰」(かんをそむ)ともいう。音読みは「かん」。「翰苑」(かんえん)、「翰藻」(かんそう)、「翰墨」(かんぼく)、「翰林」(かんりん)、「翰林院」(かんりんいん)、「翰音」(かんいん)、「翰札」(かんさつ)、「翰牘」(かんとく)、「翰池」(かんち)、「翰飛」(かんぴ)、「投翰」(かんをとうず、とうかん)。

 (解釈)漢代の張衡が『定情の賦』を作り、そのあと蔡邕が『静情の賦』を作した。これらは放埒な文辞を検束抑制して、淡静寡欲を宗とし、冒頭は自由奔放な感情を剝き出しにしているが、結びでは清雅端正に帰着する。放蕩に走る邪まな欲望を潜め、それとなく戒めを世の中に示そうと図ったのだろう。
 文章家はそれ以降累累と同様の主題に触れており、その内容を受け継いで展げることに力めてきた。
 乃公もまた農村に栖み暇だけはある。筆を秉って傚ってみた。文采には乏しいが、できうれば、そうした先人の意図に違背しなければいいのだが。。。


 結構真面目に「エロ」を書こうというのです。いや、「エロ」をいうためではない。「エロ」をどうやって制えるかを世に知らしめたいというのです。

 本篇は次回から数回連載で。。。あなたならどういう「ストーカー」にならなれますか??勿論頭の中の妄想でですよ。念のため。そのテーゼを考えてもらって、淵明先生に習いましょう。
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戛戛、聒聒、喝喝…?

「たまご」さん、暑いですね。お変わりないですか?勉強捗って…ん?

> またもやラブ・アフェアーがありまして

って、お変わりありすぎやん。
はやっ。。「ラヴ・アフェアー終わりました」から一ヶ月もたってませんよ。はやいわよ~ん。

>モテる女はつらいな~(笑)

「喝」!!
「漢字の鬼になってやる~(泗、泪、涕、洟、蔑だ)」っていう台詞はどうしたんだぁあああ。

煩悩ですね。。ちょうどこのblogも陶淵明の復習を始めたところです。Good Timingかも。。。

> 何度読んでも味わいがあります。

んでも、「たまご」さんは淵明の良さが分かるんですよねぇ~、それは素晴らしいわ。感激ですよ。
ところが…

> 自分のラブ・アフェアーとも重ねつつ(笑)読むことにいたします(・*・)

またまた「喝!!喝!!」

なんですか。重ねつつの後の「笑」は?こりゃ、「たまご」よ(今日は呼び捨てだ)、煩悩と闘うのに笑いとは何事ぞ?甘い、まだまだ甘いぞ。たるんどるぞ。四字熟語を勉強しなさい。

修行じゃぁああ。滝に打たれる代わりに、次の四字熟語をそれぞれ10回書きなさ~い。

「法界悋気」(ホッカイリンキ)
「風紀紊乱」(フウキビンラン)
「雪魄氷姿」(セッパクヒョウシ)
「鳳友鸞交」(ホウユウランコウ)あれ?
…脈絡は無いです。兎に角、一心不乱に書くのだ。

またもやラブ・アフェアー

毎日ブログは拝見しておりましたが、コメントするのは久しぶりですね(><):

またもやラブ・アフェアーがありまして、なかなか漢字のお勉強できなかったのです。。。モテる女はつらいな~(笑)

陶淵明ですか~。なつかしいですね。

何度読んでも味わいがあります。

自分のラブ・アフェアーとも重ねつつ(笑)読むことにいたします(・*・)

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char

Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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