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「扶籬摸壁」と「壁立千仞」=「碧巌録」で四字熟語

 本日の「碧巌録」は、「扶籬摸壁」(フリモヘキ)と「壁立千仞」(ヘキリュウセンジン)。

 「第七則 法眼、慧超に答う」の「頌」に次の一節があります。

 【頌】 江国の春風吹き起らず、〔尽大地那裏(いずこ)よりか這の消息を得たる。文彩已に彰らか。〕鷓鴣啼いて深花裏に在り。〔喃喃何ぞ用いん。又た風に別の調べの中に吹かる。豈に恁麼の事有らんや。〕三級(さんだん)の浪高くして魚は龍と化せるに、〔這の一路を通ず。大衆を謾くこと莫くんば好し。龍の頭を踏著(ふ)めり。〕痴人猶お戽(く)む夜塘の水。〔籬に扶り壁を摸り、門に挨(よ)り戸に傍(そ)う衲僧、什麼の用処か有らん。株を守りて兎を待つ。〕

 「鷓鴣」は「シャコ」。キジ科の鳥の一種。漢検辞典には「ウズラより大きくキジより小さい。アフリカ・西南アジアなどにすむ。尾が短く、茶褐色の地に、白い斑点がある」とある。花の陰でひそやかに啼いている。「喃喃」は、鳥のさえずり。

 「三級の浪高くして魚は龍と化せる」は、古代の聖人・禹が洪水を治めるため、黄河上流の龍門山を切り開いたと伝えられる急流で御馴染みの「登龍門」の故事です。

 「謾く」は1級配当で「あざむく」。

 「戽む」は配当外で「水を汲む」。

 「扶籬摸壁」はやや難しい四字熟語。漢検四字熟語辞典に掲載はありません。文字通り「籬に扶り壁を摸る」(まがきによりかべをさぐる)と訓む。意味は「垣根や壁にもたれて、門や戸によりかかること、転じて、主体性に欠けて人に頼ることを戒める成句」。次の「守株待兎」(シュシュタイト)とも連関しており、旧態依然のまま、自分の力ではなく他力本願で事に当たることを愚かだと説いているのです。「守株待兎」は「愚頑」である譬え。出典は「韓非子・五蠹」。

 次に、「第八則 翠巌、夏末に衆に示す」の冒頭に次の一節が見えます。

 垂示に云く、会すれば途中受用、龍の水を得るが如く、虎の山に靠るに似たり。会せざれば世諦流布、羝羊藩に触れ、株を守って兎を待つ。有る時の一句は踞地(うずくまれる)獅子の如く、有る時の一句は、金剛王宝剣の如く、有る時の一句は、天下の人の舌頭を坐断し、有る時の一句は、波に随い浪を逐う。若也途中受用ならば、知音に遇いて機宜を別ち休咎(よしあし)を識り、相共に証明せん。若也世諦流布ならば、一隻眼を具して、以て十万を坐断して、壁立千仞なるべし。所以に道う、大用現前して軌則を存せず。有る時は一茎の草を将て丈六の金身(こんじん)の用(はたらき)を作し、有る時は丈六の金身を将て一茎の草の用を作す、と。且く道え、箇の什麼の道理にか憑る。還た委悉すや。試みに挙し看ん。

 「靠る」は「よる」。「もたれる」とも訓む。

 「世諦」(セタイ)は「世俗的な規範、相対的な道理、転じて世俗そのもの。真諦(シンテイ)に対する言葉」。

 「羝羊藩に触る」は「羝羊触藩」(テイヨウショクハン)の四字熟語でもあり。意味は「羝羊」は雄のひつじのことで、「ひつじが生垣に頭をつっこんで角をひっかけるということから、身動きが取れず抜き差しならぬ羽目に陥ること、身体が窮まるたとえ」。出典は「易経・大壮」。

 「知音」(チイン)は「音楽をよく理解する者。心をよく理解しあった親友。伯牙と鍾子期」。

 「休咎」は「キュウキュウ」とも読み、「やすらかに恵まれていることと災い」。

 「壁立千仞」は「ヘキリツセンジン」と読めば「断崖が壁のように千仞も高く切り立ちそびえていること」、「ヘキリュウセンジン」と読めば、仏教語で「仏法の真理が高遠なことのたとえ」。「仞」は「ひろ」とも訓み、高さや深さをはかる単位で、一仞(いちひろ)は「上下に両手を広げた長さ」。

 「委悉」(イシツ)は「こまごまと詳しいこと、委細、委備」。

 本日のmixi転載四字熟語は次のとおり。

★「干戚羽旄」(カンセキウボウ)

 武の舞と文の舞のこと。夏の禹が始めた舞楽とある。ここで注意は「戚」。「干」が「たて」で「戚」は「おの、まさかり」。つまり武の象徴です。そして、「旄」は「からうし」。「羽」が「雉子の羽」で「旄」は「からうしの尾」。つまり、文の象徴です。出典は「礼記」。「旄牛」(ボウギュウ)、「旄倪」(ボウゲイ)=老人と子供。「旄節」(ボウセツ)、「旄頭」(ボウトウ)などの熟語があり。

★「翫歳愒日」(ガンサイカイジツ)

 何もしないで怠惰な月日を過ごすこと。「翫」も「愒」も「むさぼる」。「愒」には「おどす」「おびやかす」の読みもあり、この場合の音は「カツ」。「恫愒」(ドウカツ)。「無為徒食」(ムイトショク)、「曠日弥久」(コウジツビキュウ)も同義。

★「冠然絶後」(カンゼンゼツゴ)→「冠絶」(カンゼツ)

 きわめて珍しいこと。注意すべきは「冠」。世界に冠たる日本などのように使う。「すぐれていて人々の頭にたつ。トップにたつ」という意味。略して「冠絶」も覚えるべし。四字熟語辞典では「冠前」を「完全」や「敢然」と誤まるなと注意しています。「空前絶後」「曠然絶後」(コウゼンゼツゴ)が同義。

★「頑廉懦立」(ガンレンダリツ)

 高潔な人格に感化されて、良い方向に向かうこと。出典は「孟子」(万章・下)。以前、「金声玉振」を取り上げたときに孟子が挙げた四聖人の一人、「伯夷」の徳を表した言葉。「故に伯夷の風を聞く者は、頑夫(貪夫)も廉に、懦夫も志を立つる有り」を略した言葉。伯夷は「清廉潔癖」の人だったので、彼が死んだ後も、彼の残した教え(遺風)を耳にしたものは、どんなに旧習にとらわれて頑固で、よくばりな男もみな感化されて廉潔な人となる。また、どんなに臆病で意気地なしでもみな発奮して決然と大志を抱いて行動するようになったのだ。序でに「頑陋」(ガンロウ)、「頑軀」(ガンク)、「懦怯」(ダキョウ)、「懦弱」(ダジャク)も覚えましょう。

★「旰食宵衣」(カンショクショウイ)、「宵衣旰食」(ショウイカンショク)

 天子が朝早くから夜遅くまで熱心に政治に励むこと。「旰」は「くれる、おそい」、「宵」は「よい」。政治に熱心な余り、食事を取るのが夜暮れてから遅い時間になってしまう、そして、宵の遅くまで正服を着て政務に当たっていること。「旰昃」(カンショク)は「日暮れまで政務に励むこと」。

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2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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