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「鉄眼銅睛」と「打成一片」=碧巌録で四字熟語

 「碧巌録」の本日の四字熟語は、「鉄眼銅睛」(テツゲンドウゼイ)と「打成一片」(ダジョウイッペン)。

 雪竇、他に一拶を与えて劈頭に便ち道く、「聖諦廓然、何当(いつのひ)にか的を辧ぜん」と。雪竇侘の初句の下に於て這の一句を著くるは、不妨(なかなか)に奇特(みごと)なり。且く道え、畢竟作麼生か的を辧ぜん。直饒(たとい)鉄眼銅睛なるも、也た摸索不著(さぐりあてられず)。這裏(ここ)に到っては、情識を以て卜度(おしはか)りて得(よろ)しきや。所以に雲門道く、「撃石火の如く、閃電光に似たり」と。這個の些子(しゃし)は、心機意識情想に落ちず。你(なんじ)が口を開くを等つも、什麼(なに)を作すにか堪えん。計較生ずる時、鷂子新羅(しんら)に過ぐ。

 「鉄眼銅睛」は、四字熟語辞典には載っていません。聊か難しい四字熟語です。すぐれた眼力を譬える言葉です。「睛」は「ひとみ」で、「画竜点睛」(ガリョウテンセイ)で用います。

 「作麼生」は「そもさん」。「什麼生」「怎生」とも書きます。「いかんぞ」とも訓み、「どうして、どうやって」「どうしたか、どんなか」と疑問や問題提起を発話する場合の言葉です。テレビアニメの頓知話の一休さん(一級さんではない)で頻出しました。

 「這裏」「這個」は「シャリ」「シャコ」とも読む。「この、ここの」という意味。「些子」は「ほんのわずかなこと、転じて、微妙な勘所」。
 「作す」は「な・す」と表外訓み。

 「鷂子」は訓めますか?「はしたか、はいたか」。大空をゆらゆら飛ぶタカ科の野鳥のことです。「鷂」一字で「はいたか、はしたか」。

 若し這の両句を透得せば、所以に古人の道う、「打成一片すれば依旧に見ゆ、山は是れ山、水は是れ水、長は是れ長、短は是れ短、天は是れ天、地は是れ地」なり。(しかるに)有る時は天を喚んで地と作し、有る時は地を喚んで天と作し、有る時は山を喚んで是れ山にあらずとし、水を喚んで是れ水にあらずとす。畢竟怎生に平穏にし去くことを得ん。風来たれば樹動き、浪起れば船高し。春は生じ夏は長じ、秋は収め冬は蔵す。一種平懐なれば、泯然として自ら尽く。則ち此の四句の頌もて頓絶し了れり。

 「打成一片」は、四字熟語辞典によると「すべてのことを忘れて物事に専念すること、千差万別の事物の相を平等に観ずること」。「いっぺん」を「一編」と書き誤らないよう注意があります。

 「泯然」(ミンゼン、ビンゼン)は「ほろびるさま、はっきりしないさま」。「泯滅」は「ビンメツ」。「泯泯」は「ビンビン」。

 本日のmixi日記転載の四字熟語に参りましょう。

★「一旦緩急」(イッタンカンキュウ)


 ひとたび緊急の事態になったとき。いざというとき。つまり「緩急」は「緩やか」と「急な」という相反する組み合わせではありますが、「緩」という意味よりは「急」の方に重きが置かれているという、ちょっと変わった言葉なのです。漢検四字熟語辞典には「『緩急』のように二字熟語であって一方の漢字の意味に偏しているものを偏義複辞(ヘンギフクジ)という」とありましたが、「偏義複辞」、這の言葉は辞書を調べても載っていませんでした。「緩急」以外にあるかなあと考えてみましたが浮びませんでした。


★「一天万乗」(イッテンバンジョウ)


 天下を治める天子のこと。「万乗の君」ともいう。「乗」は兵車(馬四頭で一車を引いた)を数える単位で、古代中国では兵車が戦争の主力武器でそれだ多くの戦力を持っていることから、多大な武力を象徴する天子を指す言葉となっています。本番で「一天○○」と出され、「バンジョウ」が残ったとして、「万」は「一」の対句から分かるでしょうが、「乗」が書けるかどうかが焦点でしょう。この言葉を知らなければ勘で「杖」だとか「丈」だとか「仍」とか、「常」とか「定」とか書いてしまいそうです。
 したがって「乗」の意味を押さえられているかどうかがポイントです。このほかに、「万乗之国」(バンジョウノクニ)、「万乗之君」(バンジョウノキミ)もあります。いずれも「孟子」が出典です。これに対し、「千乗之国」(センジョウノクニ)が「論語」に見えており、こちらは「兵車千台を出すことのできる諸侯」。白居易の「長恨歌」には「千乗万騎」(センジョウバンキ)も見えます。周代では「一乗」に甲兵3人、歩兵72人、車士25人がついたとされ、千乗では10万、万乗では100万人の軍隊という計算になります。
 ちなみに長恨歌の第4段に「九重の城闕煙塵生じ 千乗万騎西南に行く」とあります。


★「竜驤虎視」(リョウジョウコシ)、「竜攘虎搏」(リョウジョウコハク)

 前者は「世に威勢を示し、意気が盛んなこと」、後者は「強い者同士が激しく戦うこと」。意味は全く異なるので分かり易いですが、「ジョウ」と読む「驤」と「攘」という微妙に違う同じ音符の漢字を明確な意識を持って区別できなければなりません。「驤」は「あがる」、「攘」は「はらう」。意味を考えましょう意味を。前者は「竜が驤がり、虎がにらむ」、後者は「竜が攘い、虎が打つ」。「竜」ものはこのほかにも沢山あって迷いやすいので要注意です。

 「竜興致雲」(リョウコウチウン)、「竜虎相搏」(リョウコソウハク)、「竜舟鷁首」(リョウシュウゲキシュ)、「竜驤麟振」(リョウジョウリンシン)、「竜跳虎臥」(リョウチョウコガ)、「竜騰虎闘」(リョウトウコトウ)、「竜頭鷁首」(リョウトウゲキシュ)、「竜瞳鳳頸」(リョウドウホウケイ)、「竜蟠虎踞」(リョウバンコキョ)、「竜挐虎擲」(リョウダコテキ)、「驪竜之珠」(リリョウノタマ)、「竜吟虎嘯」(リョウギンコショウ)。何とか関連付けてクリアしましょう。「竜」を制す者は四字熟語を制すといっても過言ではありませんよ。精進あるのみ。


★「落英繽紛」(ラクエイヒンプン)


 渙る花びらが乱れ舞うさま。四字熟語辞典には態々、「紛」を「粉」と書き誤らないとの注意書きがあります。よく間違うんだなぁこれが。。。「繽」は「びっしりと並ぶさま」。「紛」は「みだれるさま」。意味から考えれば「粉」じゃないんです。「紛郁」(フンイク)、「紛嘩」(フンカ)、「紛擾」(フンジョウ)、「紛塵」(フンジン)、「紛紜」(フンウン)、「紛衍」(フンエン)、「紛淆」(フンコウ)、「紛喧」(フンケン)、「紛訌」(フンコウ)=「内訌」(ナイコウ)、「紛囂」(フンゴウ)、「紛奢」(フンシャ)、「紛糅」(フンジュウ)、「紛沓」(フントウ)、「紛鬧」(フンドウ)、「紛葩」(フンパ)、「紛紛聚訴」(フンプンシュウソ)、「紛綸」(フンリン)などなど、「紛」そのものは常用漢字ですが、1級漢字や準1級漢字とくっ付いて多くの熟語を構成する恐ろしいほどの「造語力」を持っています。要注意です。「紛衍」「紛喧」「紛鬧」「紛囂」「紛葩」などは読み問題で狙われそうです。
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2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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