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「ツウタン」?痛いわ~、悲しいわ~…「馬の脚」〔芥川龍之介作品学習シリーズ(from 「mixi日記」 of char)〕⑯

 芥川転載補遺シリーズ第16回は、本日2回目の更新。羸れたぁ~。

 「馬の脚」はSFパロディー小説。ストレートに面白いですよ。

 【伝吉の敵打ち】


 ●頒つ(わかつ)

 「なおまた伝吉の墓のある笹山村の慈照寺(浄土宗)は「孝子伝吉物語」と云う木版の小冊子を頒っている。」

 →全体をいくつかに割って、大勢にわけ与える。2級配当の表外訓読み。「ハン」が音読みで「頒布」(ハンプ)、「頒価」(ハンカ)、「頒行」(ハンコウ)、「頒白」(ハンパク)。

 ●手だれ(てだれ)

 「平四郎さすがに手だれなりければ、思うままに伝三を疲らせつつ、打ちかくる鍬を引きはずすよと見る間に、伝三の肩さきへ一太刀浴びせ、……」

 →「手熟れ」「手足れ」とも書く。熟練していて伎芸などに優れること。また、其の人。てきき。てだり。

 

【報恩記】


 ●堪える(こらえる)

 「しかし老女は今更のように、こみ上げる涙を堪えるように、消え入りそうな返事をしました。」

 →我慢する。たえしのぶ。感情を抑え、外からは分からないようにする。表外の訓読み。「濡える」「怺える」も「こらえる」。

 ●荘厳(ショウゴン)

 「いや、悪事ばかり働いたわたしは、「はらいそ」(天国)の荘厳を拝する代りに、恐しい「いんへるの」(地獄)の猛火の底へ、逆落しになるかも知れません。」

 →仏像、仏堂を天蓋、幢幡、瓔珞その他の仏具、法具などで飾ること。また、その飾り。「ソウゴン」と読めば、ふつうは「重々しく立派なこと」。

 ●縋る(すがる)

 「甚内は一声叱ったまま、元の通り歩いて行きそうにします。わたしはほとんど気違いのように法衣の裾へ縋りつきました。」

 →助けを求める。頼りとする。1級配当で「ツイ」が音読み。

 ●返報(ヘンポウ)

 「――このくらい愉快な返報はありません。わたしがその夜嬉しさの余り、笑い続けたのも当然です。」

 →恨みに対して報いること。仕返し。


 【馬の脚】


 ●一段落(イチダンラク)

 「が、一段落ついたと見え、巻煙草を口へ啣えたまま、マッチをすろうとする拍子に突然俯伏しになって死んでしまった。」

 →一つの段落。ひとくぎり。転じて、ものごとがひとくぎりしてかたづくこと。「ひとダンラク」は誤用ですが、言う人はかなり多い。

 ●未亡人(ビボウジン)

 「上役や同僚は未亡人常子にいずれも深い同情を表した。」

 →「ミボウジン」と読むのが普通ですが、これもあり。ごけ。

 ●北京官話(ペキンカンワ)

 「半三郎はびっくりした。が、出来るだけ悠然と北京官話の返事をした。『我はこれ日本三菱公司の忍野半三郎』と答えたのである。」

 →北京および中国北部諸省で使われた公用標準語の旧称。


 ●毛脛(けずね)

 「少々くらい毛脛でも人間の脚ならば我慢しますから。」

 →毛の多く生えたすね。「脛」は「臑」とも書く。いずれも1級配当で既出。


 ●彷徨(ホウコウ)、寝棺(ねガン)

 「とにかく彼はえたいの知れない幻の中を彷徨した後やっと正気を恢復した時には××胡同の社宅に据えた寝棺の中に横たわっていた。」

 →さまようこと。うろつくこと。ともに1級配当で「さまよ・う」が訓読み。「彷彿」(ホウフツ)。

 →「ねカン」とも読む。死骸を仰臥のままで納める棺(ひつぎ)。

 ●痛嘆(ツウタン)

 「半三郎は彼の日記の中に絶えずこの困難を痛嘆している。」

 →ひどく悲しみなげくこと。

 ●塞外(サイガイ)

 「かつまた当時は塞外の馬の必死に交尾を求めながら、縦横に駈けまわる時期である。」

 →中国の北方の国境すなわち万里の長城の外。対義語は「塞内」。

 

【春】


 ●再応(サイオウ)

 「けれども再応考えて見ると、それも皆彼女の邪推らしかった。」

 →ふたたび。再度。

 ●受太刀(うけだち)

 「それは恬然と切りこんで来る妹に対する苛立たしさでもあれば、だんだん受太刀になって来る彼女自身に対する苛立たしさでもあった。」

 →守勢の立場になること。押され気味になること。

 ●鎌をかける(かま)

 「広子はそれでも油断せずに妹の顔色を窺ったり、話の裏を考えたり、一二度は鎌さえかけて見たりした。」

 →相手に巧みに誘いをかけて、こちらが聞き出したいことや相手の本音を、うっかり自分から話し出すように仕向ける。「水を向ける」ともいう。


 【夢】


 ●甚しい(はげしい)

 「わたしはすっかり疲れていた。肩や頸の凝るのは勿論、不眠症もかなり甚しかった。」

 →「はなはだしい」は「甚だしい」。「いたく」、「ひどく」といった意味で「はげしい」。表外の訓読み。

 ●しごく(扱く)

 「裸になった彼女は花束の代りに英字新聞のしごいたのを持ち、ちょっと両足を組み合せたまま、頸を傾けているポオズをしていた。」

 →長い物を、一方の手に握り締めたまま、もう一方の手でそれを引き抜くように強く手前に引く。表外の訓読み。転じて、厳しく訓練する。

 ●一心(イッシン)

 「それはちょうどキャベツの芽のほぐれかかったのに近いものだった。わたしは勿論ふだんのように一心にブラッシュを動かしつづけた。が、彼女の乳首に――そのまた気味の悪い美しさに妙にこだわらずにはいられなかった。」

 →心を一つに集中すること。また、その心。他念のない心。専念。


 【冬】


 ●力丈夫(ちからじょうぶ)

 「しかし存外変っていないことは幾分か僕を力丈夫にした。」

 →心が安心するさま。勇気を得たさま。

 ●薄荷(ハッカ)

 「それからもう何年かたった、ある寒さの厳しい夜、僕は従兄の家の茶の間に近頃始めた薄荷パイプを啣え、従姉と差し向いに話していた。」

 →シソ科の多年草。山地に自生する。香料植物としては北海道で大規模に栽培。夏や秋に葉腋に淡紅紫色の唇形花を群生。
「薄荷パイプ」は「巻き煙草のパイプに似たものに薄荷を詰めたもの。吸って香りを味わう」。


 【海のほとり】


 ●計(はかりごと)

 「僕等は二人ともこの七月に大学の英文科を卒業していた。従って衣食の計を立てることは僕等の目前に迫っていた。」

 →生計。

 ●識域下(シキイキカ)

 「『つまりあの夢の中の鮒は識域下の我と言うやつなんだ。』――そんな気も多少はしたのだった。」

 →「識閾」とも書く。Threshould of consciousness。ある意識作用の生起と消失の境界。意識閾。

 ●臀(しり)

 「それから貸下駄を臀の下に敷き、敷島でも一本吸おうとした。」

 →尻。ケツ。1級配当で「デン」が音読み。「臀部」(デンブ)。

 ●ながらみ、螺(にし)

 「そこへ向うからながらみ取りが二人、(ながらみと言うのは螺の一種である。)魚籃をぶら下げて歩いて来た。」

 →ダンベイキサゴ(團平喜佐古)。鹿島灘以南の外洋に面した砂浜に生息するニシキウズガイ科の巻貝。直径5cmくらい。食用。漁獲期は初夏で、主な漁場は九十九里浜・駿河湾・浜名湖など。漁獲地近辺などでは「ながらみ」とも呼ばれる。一般的な調理法は、ごく軽めにゆでたものをショウガ醤油に付けるなど。酒のつまみ・副菜などに用いられている。
世界的に見てもサラサキサゴ属の仲間は少なく、その内キサゴ、イボキサゴ、ダンベイキサゴ、チョウセンキサゴ、タイワンキサゴの5種が生息する。全てが砂地に棲んでおり、その中の有機物などを食べているため環境の変化に弱い物が多い。内湾性のイボキサゴが現在危機的な状況に追い込まれているそうである。

 →巻貝の一群の総称。あかにし、たにしなど。準1級配当で「ラ」が音読み。「つぶ」とも訓む。「螺鈿」「螺甸」(以上ラデン)、「螺旋」(ラセン)、「螺髪」(ラハツ)、「栄螺」(エイラ)、「法螺」(ホラ)。《田螺》(たにし)、《螺子》《螺旋》は「ねじ」。

 

【尼堤】


 ●波羅門(バラモン)、刹帝利(セッテイリ)

 「ただ波羅門や刹帝利だけは便器の中に用を足し、特に足を労することをしない。」

 →インドの四種姓(ヴァルナ)制中の最高位である僧侶、祭司階級。梵天の裔で、その口から出たものとされ、もっぱら祭祀、教法をつかさどり、他の三姓の尊敬を受けた。ブラーマン。

 →クシャトリヤの漢訳。インドの四種姓制で、バラモンに次ぐ第二身分。王族および武士身分。

 ●諸家(ショケ)、瓦器(ガキ)

 「ある日の午後、尼提はいつものように諸家の糞尿を大きい瓦器の中に集め、そのまた瓦器を背に負ったまま、いろいろの店の軒を並べた、狭苦しい路を歩いていた。」

 →「ショカ」とも読む。もろもろの家。一派を立てている多くの人。諸氏。

 →すやきの土器。かわらけ。

 ●繊長(センチョウ)、赤銅(シャクドウ)

 「『その指繊長にして、爪は赤銅のごとく、掌は蓮華に似たる』手を挙げて『恐れるな』と言う意味を示したのである。」

 →ほそながい。「繊」は「ほそい、ほっそり」。

 →赤銅色のこと。つやのある黒みを帯びた紫色。

 ●雷音(ライオン)

 「如来が雷音に呼びかけた時、尼提は途方に暮れた余り、合掌して如来を見上げていた。」

 →雷の轟きのように一喝するさま。

 ●猛火(ミョウカ)

 「いやいや、仏法の貴賤を分たぬのはたとえば猛火の大小好悪を焼き尽してしまうのと変りはない。……」

 →「ミョウ」は呉音。激しく炎を上げて燃え立つ火。

 ●常寂光土(ジョウジャッコウド)

 「尼提よ。お前は仕合せものだ。一たび如来のお弟子となれば、永久に生死を躍り越えて常寂光土に遊ぶことが出来るぞ。」

 →天台四土の一つ。法身仏のいる浄土。生滅変化を超えた永遠の浄土。寂光浄土。常寂光。

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Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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