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「胡漢陵轢」…胡と漢は永遠のライバルなり〔芥川龍之介作品補遺シリーズ(from 「mixi日記」 of char)〕⑫

 芥川転載補遺シリーズの第12回です。本日から夏休みを取りますが、本日は自宅におりますので更新はたくさんできます。明日以降、西の方面に旅行に出ますので更新ができるかどうか少し不安があります。パソコンは携行していきますが。。。よって、本日はばかばかupいたします。

 【漱石山房の秋】


 ●紛々(フンプン)

 「門をくぐると砂利が敷いてあって、その又砂利の上には庭樹の落葉が紛々として乱れている。」

 →入り混じって乱れるさま。ごたつくさま。

 ●鈕(ボタン)

 「だから案内を請おうと思ったら、まずその蔦の枯葉をがさつかせて、呼鈴の鈕を探さねばならぬ。」

 →衣服などについていて、合わせ目をとめる物。1級配当で「チュウ、ジュウ」が音読み。「つまみ」とも訓読みする。「印鈕」(インチュウ)、「鈕釦」(チュウコウ)。「釦」も「ボタン」。

 ●紙絹(シケン)、法帖(ホウジョウ)

 「…その上に硯や筆立てが、紙絹の類や法帖と一しょに、存外行儀よく並べてある。」

 →原稿や絵、書を書くための紙や絹。

 →手本、鑑賞用に先人の筆跡を紙に写し、石に刻み、これを石摺りにした折本。

 ●茶箕(チャキ)

 「銅印が一つ、石印が二つ三つ、ペン皿に代えた竹の茶箕、その中の万年筆、それから玉の文鎮を置いた一綴りの原稿用紙――机の上にはこの外に老眼鏡が載せてある事も珍しくない。」

 →茶筒の中に入れて、お茶葉をすくう道具のこと。「箕」は準1級で「み」が訓読み。「箕箒」(キソウ)、「箕斂」(キレン)、「箕山の志」(キザンのこころざし)。


 【東洋の秋】


 ●うそ寒い(うそさむい)

 「そのうそ寒い路の上には、おれ以外に誰も歩いていない。」

 →なんとなく寒い。薄ら寒い。この場合の「うそ」は接頭辞で「薄」の意で「少しばかり、何となく」。「うす甘い」などがある。


 【秋】


 ●気散じ(キサンじ)

 「彼等は又殆日曜毎に、大阪やその近郊の遊覧地へ気散じな一日を暮しに行った。」

 →心の憂さをまぎらすこと。気晴らし。
【黒衣聖母】


 ●《矜誇》(ほこり)

 「田代君はあらゆる蒐集家に共通な矜誇の微笑を浮べながら、卓子の上の麻利耶観音と私の顔とを見比べて、もう一度こう繰返した。」

 →「キョウコ」と音読みが普通です。当て字です。自分の才能などをほこっていばること。「矜」は1級配当で「キョウ」「キン」「カン」「ほこ・る」「めぐ・む」。プライドですね。熟語は巨いので一部だけ。「矜寡」(カンカ)、「矜夸」(キョウカ)、「矜貴」(キョウキ)、「驕矜」「矜驕」(以上、キョウキョウ)、「矜厳」(キョウゲン)、「矜恃」(キョウジ)、「矜恤」(キンジュツ)。

 ●《雪洞》(ぼんぼり)

 「お栄はまだ夢でも見ているような、ぼんやりした心もちでいましたが、祖母はすぐにその手を引いて、うす暗い雪洞に人気のない廊下を照らしながら、昼でも滅多にはいった事のない土蔵へお栄をつれて行きました。」

 →絹や紙張りの覆いを貼けた手燭。また、小さな行灯。「セツドウ」と読めば、雪山などで作った緊急の洞穴のこと。

 ●杖柱(つえはしら)

 「童貞聖麻利耶様、私が天にも地にも、杖柱と頼んで居りますのは、当年八歳の孫の茂作と、ここにつれて参りました姉のお栄ばかりでございます。」

 →非常に頼りにする人のたとえ。


 【素戔嗚尊】


 ●釧(くしろ)

 「その若者は彼と同じ市松の倭衣を着ていたが、頸に懸けた勾玉や腕に嵌めた釧などは、誰よりも精巧な物であった。」

 →古代の装飾用腕輪の一つ。たまき。ひじまき。貝殻、青銅、石などで作られた。準1級配当で「セン」が音読み。「腕釧」(ワンセン)。

 ●湍る(たぎる)

 「そこは一旦湍った水が今までの勢いを失いながら、両岸の石と砂との間に青々と澱んでいる所であった。」

 →水などがわきかえる。激しく流れる。さかまく。1級配当で「タン」「はやせ」「(水の流れが)はや・い」。「湍水」(タンスイ)、「急湍」(キュウタン)、「激湍」(ゲキタン)、「飛湍」(ヒタン)、「奔湍」(ホンタン)。

 ●〔騎虎の勢い〕(キコのいきおい)

 「その代りまた後に残った二人は、本来さほど敵意のある間柄でもなかったが、騎虎の勢いで已むを得ず、どちらか一方が降参するまで雌雄を争わずにはいられなくなった。」

 →いったんやり始めたら途中でやめられないたとえ。

 ●突兀(トッコツ)

 「そうして再び彼等の間から一種のどよみが起った時には、彼はすでに突兀たる巌石を肩に支えながら、みずらの髪を額に乱して、あたかも大地を裂いて出た土雷の神のごとく、河原に横わる乱石の中に雄々しくも立ち上っていた。」

 →山や岩などがけわしくそびえるさま。「兀」は1級配当で「コツ・ゴツ」。「兀立」(コツリツ)、「兀兀」(コツコツ)、「傲兀」(ゴウコツ)。

 ●意嚮(イコウ)、軋轢(アツレキ)

 「が、彼等は彼等自身のために、彼の意嚮には頓着なく、ほとんど何事にも軋轢し合った。」

 →意向。「嚮」は1級配当で「キョウ、コウ」「む・かう」「さき・に」。「向」が書き換え語です。「嚮往」(キョウオウ)、「嚮後」(キョウゴ)、「嚮日」(キョウジツ)、「嚮道」(キョウドウ)。

 →関係が悪くなること。仲がこじれること。不和。「軋」は1級配当で「きし・る」「きし・む」が訓読み。「轢」も1級配当で「きし・る」「ひ・く」。「轢死」(レキシ)、「轢殺」(レキサツ)、「轢断」(レキダン)、「陵轢」(リョウレキ)、「胡漢陵轢」(コカンリョウレキ)。

 ●楡(にれ)

 「ところが草山がやや平になって、一本の楡の若葉の下に、夕日を浴びた部落の屋根が一目に見えるあたりまで来ると、そこには四五人の若者たちが、一人の若者を相手にして、頻に何か云い争っていた。」

 →ニレ科の落葉高木の総称。北半球の温帯に自生。街路樹などに植栽。材は家具や建築用となる。ハルニレ・アキニレなど。1級配当で「ユ」が音読み。「楡柳」(ユリュウ)、「桑楡」(ソウユ)、「枌楡」(フンユ)。

 ●地腫(ジばれ)

 「彼が手ひどく殴られた事は、一面に地腫のした彼の顔が、明白に語っている事実であった。」

 →傷口などの周囲の皮膚が広く腫れること。

 ●《呪物》師(まじものシ)

 「その上部落の女たちの中には、尊を非凡な呪物師のように思っているものもないではなかった。」

 →災厄が人に及ぶように神霊に祈祷する人。その方術を駆使する人。当て字。

 ●蕗の薹(ふきのとう)

 「思兼尊はこう云うと、実際つまらなそうな顔をしながら、どこかで摘んで来たらしい蕗の薹の匂を嗅ぎ始めた。」

 →フキの若い花茎。早春に地下茎から生える。香りとほのかな苦味があり、食用。「蕗」は準1級配当で「ロ」が音読み。《款冬》、《菜蕗》、「苳」とも書く。「薹」は1級配当で「タイ」が音読み。〔薹が立つ〕(とうがたつ)は「盛りが過ぎること」。

 ●斑竹(ハンチク)

 「するとそこへもう一人の若者が、斑竹の笛を帯へさして、ぶらりと山を下って来た。」

 →稈(カン)の表面に紫褐色などの斑紋のある竹の総称。観賞用。稈は器具用。まだらだけ。虎斑竹(とらふだけ)。「斑」は準1級配当で「まだら」が訓読み。「まだら」のほか、「ふ」「ぶち」の訓読みがある。「斑点」(ハンテン)、「斑紋」(ハンモン)、「黄斑」(オウハン)、「紅斑」(コウハン)、「紫斑」(シハン)、「死斑」(シハン)、「虎斑」(コハン)、「白斑」(ハクハン)、「母斑」(ボハン)、「斑猫」(ハンミョウ)、《斑気》(むらき)。

 ●毒口(ドクグチ)

 「若者は毒口を利きながら、しばらくその勾玉を弄んでいたが、…」

 →毒々しく言う言葉つき。悪たれ口。毒舌。悪口雑言。

 ●羞憤(シュウフン)

 「その話を聞いている内に、刻々素戔嗚の心の中には、泣きたいような、叫びたいような息苦しい羞憤の念が、大風のごとく昂まって来た。」

 →恥ずかしくなって憤ること。「羞」は1級配当で「は・じる」「すす・める」が訓読み。「含羞」(ガンシュウ)、「羞恥」(シュウチ)、「嘉羞」(カシュウ)、「嬌羞」(キョウシュウ)、「膳羞」(ゼンシュウ)、「羞悪」(シュウオ)、「羞花閉月」(シュウカヘイゲツ)、「羞愧」(シュウキ)、「羞辱」(シュウジョク)、「羞死」(シュウシ)、「羞渋」(シュウジュウ)、「羞慙」(シュウザン)、「羞饌」(シュウセン)、「羞膳」(シュウゼン)、「羞赧」(シュウタン)、「羞紅」(シュウコウ)、「羞面」(シュウメン)。

 ●樅(もみ)、栂(とが)

 「空には樅や栂の枝が、暗い霧を払いながら、悩ましい悲鳴を挙げていた。」

 →マツ科の常緑針葉樹。高さは30メートル内外。樹皮は暗灰色、葉は線形で密生。初夏に雌雄花を同株に開き、円柱形緑褐色の球果を結ぶ。庭木やオウシュウモミの代わりにクリスマスツリーとする。もみそ。1級配当で「ショウ」。《妄榧》(もみ)とも書く。

 →「つが」とも訓む。マツ科ツガ属の常緑高木。西日本の山地に自生し、高さは30メートル以上に達する。雌雄同株。雄花穂は円錐形、雌花穂は楕円形。球果は親指大で下垂。材は建築、器具製造、製紙用。樹皮からタンニンを採り、魚網の染料とする。ツガノキ。準1級配当の国字。

 ●刀子(トウス)

 「若い女は壁に懸けた刀子へ手をかけるや否や、素早く彼の胸を刺そうとした。」

 →古代の小形の刀。携帯して食事、皮剝ぎなどのほか、木簡を削るのに用いた。中央アジア、中国で発達、青銅、鉄製などがある。日本にも入り、紐がたなのほか、正倉院には装飾の華麗なものや数本の刀子を一つの鞘に収めたものが残る。

 ●宿酔(シュクスイ)

 「微風は彼の頭から、すぐさま宿酔を吹き払った。彼は両腕を胸に組んで、谷川の向うに戦いでいる、さわやかな森林の梢を眺めた。」

 →酒を多量に吞み、酩酊状態の去った翌日に、なお残存する頭痛、悪心などの中毒症状。すなわち、二日酔い。

 ●高麗剣(コマつるぎ)

 「顔ははっきり見えなかったが、柄に竜の飾のある高麗剣を佩いている事は、その竜の首が朦朧と金色に光っているせいか、一目にもすぐに見分けられた。」

 →高麗国製造の剣。環頭大刀(かんとうのたち)の別称。柄頭に環状の飾りを付けた太刀。源流は北方遊牧民族にあって、中国で発達。日本の古墳時代にも見られる。

 ●一臂(イッピ)

 「高天原の国に未練のなかった彼は、それらの民に一臂の労を借してやった事はあっても、それらの民の一人となって、老いようと思った事は一度もなかった。」

 →わずかな手助け。「~の労」と使うことが多い。「臂」は1級配当で「ひじ」が訓読み。「猿臂」(エンピ)は既出。慧可断臂(エカダンピ)。


 【老いたる素戔嗚尊】


 ●千木(ちぎ)

 「宮は千木が天雲に隠れる程大きな建築であった。」

 →社殿の屋上、破風の先端が延びて交叉した二本の木。後世、破風と千木とは切り離されて、ただ棟上に取り付けられた一種の装飾となる。「杠」「知木」「鎮木」とも書く。

 ●蠢く(うごめく)

 「しかし稀に夢の中では、暗黒に蠢く怪物や、見えない手の揮う剣の光が、もう一度彼を殺伐な争闘の心につれて行った。」

 →はっきりとでなく全体が絶えず動く。もぐもぐ動く。うごうごする。おごめく。1級配当で「シュン」が音読み。「蠢動」(シュンドウ)、「蠢愚」(シュング)⇔「英明」。「蠢爾」(シュンジ)、「蠢蠢」(シュンシュン)。

 ●甕(みか)

 「しかし酒がまわり出すと、彼の所望する通り、甕の底を打ち鳴らして、高天原の国の歌を唱った。」

 →大きなかめ。酒を醸したり、水を貯えたりするのに用いる。もたい。1級配当で「オウ」が音読み。「甕天」(オウテン)、「甕裡醯鶏」(オウリケイケイ)。かめは「罌」「缸」「甌」「瓷」「瓮」。

 ●慟哭(ドウコク)

 「宮の中はその間、慟哭の声に溢れていた。」

 →ひどく悲しみ、大声をあげて泣くこと。いずれも1級配当で「慟」は「なげ・く」が訓読み、「哭」は「な・く」が訓読み。「哭泣」(コッキュウ)、「哀哭」(アイコク)、「鬼哭」(キコク)、「鬼哭啾啾」(キコクシュウシュウ)、「痛哭」(ツウコク)。

 ●椋(むく)

 「宮のまわりにある椋の林は、何度となく芽を吹いて、何度となく又葉を落した。」

 →「椋の木」はニレ科の落葉高木。山地に自生し、葉の表面はざらつき、物を磋くのに用いる。春に淡緑色の花が咲き、秋に黒紫色の小さな実をつけ食用となる。材は器具用。ムク。「樸樹」とも書く。準1級配当で「リョウ」が音読み。

 ●塒(ねぐら)

 「すると須世理姫と葦原醜男とが、まるで塒を荒らされた、二羽の睦じい小鳥のように、倉皇と菅畳から身を起した。」

 →鳥の寝るところ。とや。転じて、俗に自分の寝るところ。1級配当で「シ、ジ」「とや」「とぐろ」とも。「とぐろ」は「蜷局」とも書く。「とや」は「鳥屋」とも書く。

 ●迂散らし(ウサンらし)

 「素戔嗚は岩角に佇んだ儘、迂散らしく相手の顔を見やった。」

 →あやしまれるようすである。胡散臭い。「胡散」の当て字。

 ●漲る(みなぎる)

 「素戔嗚は顔中に不快そうな色を漲らせて、じろりと相手を睨みつけたが、…」

 →あふれるほどに満ち広がる。1級配当で「チョウ」が音読み。「漲溢」(チョウイツ)、「怒漲」(ドチョウ)、「暴漲」(ボウチョウ)。

 ●鰐(わに)

 「畜生! あんな悪賢い浮浪人は、鰐にでも食はしてしまうが好い。」

 →サメ類の古称。準1級配当で「ガク」が音読み。「鰐魚」(ガクギョ)、「鰐口」(わにぐち)。

 ●《少時》(しばらく)、番える(つがえる)

 「荒野は目の及ぶ限り、二人の後から吹下す風に、枯草の波を靡かせていた。素戔嗚は少時黙然と、そう云う景色を見守った後、弓に矢を番えながら、葦原醜男を振り返った。」

 →しばらくの間。当て字。「ショウジ」とも読む。

 →表外の訓読み。弓の弦に矢をあてがう。「つがい」は男女(雌雄)のペア。

 ●弓勢(ゆんゼイ)

 「風があって都合が悪いが、兎に角どちらの矢が遠く行くか、お前と弓勢を比べて見よう。」

 →弓をひき張る力。弓を射る力の強さ。

 ●小篠(おざさ)

 「と同時にその煙の下から、茨や小篠の焼ける音が、けたたましく耳を弾き出した。」

 →笹。イネ科の多年生植物。小形で丈の低いタケ類。山野に群生し種類が多い。「篠」一文字でも「ささ」。また、《小竹》と書いて「ささ」と訓む。

 ●《吃驚》(びっくり)

 「二人も素戔嗚の姿を見ると、吃驚したらしい容子であった。」

 →不意の出来事におどろくさま。《喫驚》(びっくり)は既出。

 ●嶮しい(けわしい)

 「高天原の国を逐われた素戔嗚は、爪を剥がれた足に岩を踏んで、嶮しい山路を登っていた。」

 →登るのが困難なほど、傾斜が急なさま。1級配当で「ケン」が音読み。「嶮隘」(ケンアイ)、「嶮峻」(ケンシュン)、「嶮岨」(ケンソ)、「嶮難」(ケンナン)、「嶮路」(ケンロ)。「険」に書き換えられる場合がほとんど。

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char

Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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