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いけないことを教えるのが「誨淫」…「戯作三昧」〔芥川龍之介作品学習シリーズ(from 「mixi日記」 of char)〕⑦

 芥川転載補遺シリーズの第7回は、本日2回目のupです。

 本日の目玉は「戯作三昧」ですね。「南総里見八犬伝」の滝沢馬琴翁の創作の苦悩を描いています。大衆に迎合して書くのか、己の理想を追求した芸術なのか?その相剋です。売れればいいのか?パクリなのか?どうにも納得がいかない作家の「足掻き」「手詰まり」とでも言うのでしょうか?

 水滸伝や、山東京伝、柳亭種彦、為永春水、渡辺崋山…、ありったけの文学の知識を駆使して当時の江戸文学界に思いを騁せましょう。

 そして、最後に老練な作家を叱咤激励するのは孫の三言です。

 「御勉強しなさい」

 「癇癪を起しちゃいけません」

 「辛抱おしなさい」

 この言葉で目覚める馬琴翁。恐らく、芥川も自身の苦悩を塁ね合わせたのでしょう。

 「今己が書いていることは、今でなければ書けないことかも知れないぞ」――。

 書きまくる馬琴翁の姿は芥川そのものですね。

 迂生のblog執筆でも大いなるヒントを貰いましたよ。

【さまよえる猶太人】


 ●口碑(コウヒ)

 「伊太利でも、仏蘭西でも、英吉利でも、独逸でも、墺太利でも、西班牙でも、この口碑が伝わっていない国は、ほとんど一つもない。」

 →昔からの言い伝え。伝説。

 ●羊蹄(ブラッドワアト、ぎしぎし)

 「千六百五十八年には、スタンフォドのサムエル・ウォリスと云う肺病やみの男に、赤サルビアの葉を二枚に、羊蹄の葉を一枚、麦酒にまぜて飲むと、健康を恢復すると云う秘法を教えてやったそうである。」

 →ぎしぎし。タデ科の大形多年草。原野や道端の湿地に自生し、長大な黄色の根を持つ。この根のことを「しのね」といい、大黄に代用し、皮膚病の薬と成る。茎は太く高さ約80センチメートル。根葉は狭長楕円形で長い柄がある。夏、茎上の花穂に多数の緑色の小花をつける。

 ●踪跡(ソウセキ)

 「次いで、前に云ったムウニッヒを過ぎて、再び英吉利に入り、ケムブリッジやオックスフォドの教授たちの質疑に答えた後、丁抹から瑞典へ行って、ついに踪跡がわからなくなってしまった。」

 →人などが通ったあしあと。あとかた。転じて、ゆくえ。類義語は「蹤跡」(ショウセキ)。「踪」は1級配当で「あと」が訓読み。「失踪」(シッソウ)。

 ●《荊棘》(いばら)

 「あるものは、彼に荊棘の冠を頂かせた。あるものは、彼に紫の衣を纏わせた。またあるものはその十字架の上に、I・N・R・Iの札をうちつけた。」

 →バラや枳殻などとげのある低木の総称。「ケイキョク」とも読む。熟字訓としては「おどろ」との訓みもありますが、意味は「草木が乱れ繁ること。髪が乱れるさま」。「荊」「棘」も1級配当で、各一字で「いばら」。「茨」もあり。

 ●種々(くさぐさ)

 「…手が『誓い申すとの事故、それより上人も打ちとけて、種々問答せられたげじゃ。』と書いてあるが、その問答を見ると、…」

 →物事の品数・種類の多いさま。いろいろ。さまざま。表外の訓読み。

 ●靱皮(なめしがわ)

 「そこには、靱皮の帯をしめて、わざと爪を長くしたパリサイの徒もいた事であろうし、髪に青い粉をつけて、ナルドの油の匂をさせた娼婦たちもいた事であろう。」

 →動物の皮を薬品で処理し、腐敗を防ぎ、柔軟性・たわみ性・弾性などを付与したもの。つくりがわ。レザー。この漢字は当て字で通常は「鞣」(なめしがわ)。「靱」は準1級配当で「ジン」「しな・やか」。「強靱」(キョウジン)、「靱性」(ジンセイ)、「靱帯」(ジンタイ)。

 ●心耳(シンジ)

 「が、ヨセフは、『この呪が心耳にとどまって、いても立っても居られぬような気に』なったのであろう。」

 →心で聞くこと。いわば、こころの耳。

 ●嘲弄(チョウロウ)

 「彼の妻や子でさえも、彼のこの所作を、やはり荊棘の冠をかぶらせるのと同様、クリストに対する嘲弄だと解釈した。」

 →あざけりからかうこと。「嘲」は1級配当で「あざけ・る」が訓読み。「愚弄」(グロウ)が類義語。「嘲笑」(チョウショウ)、「自嘲」(ジチョウ)、「嘲戯」(チョウギ)、「嘲罵」(チョウバ)、《嘲笑う》(あざわら・う)。

 ●穿鑿(センサク)

 「この答の当否を穿鑿する必要は、暫くない。」

 →細かくほじくるようにして調べること。「穿」は準1級で「うが・つ」「ほじ・る」「は・く」と多様な訓読みがあります。「穿山甲」(センザンコウ)は蟻食。「鑿」は1級配当で「のみ」「うが・つ」が訓読み。「開鑿」(カイサク)、「鑿壁偸光」(サクヘキトウコウ)、「鑿井」(サクセイ)=ボーリング、「鑿開」(サッカイ)、「掘鑿」(クッサク)。

 ●高教(コウキョウ)、吝しむ(お・しむ)

 「自分の疑問に対する答を、東西の古文書の中に発見した人があれば、自分は切に、その人が自分のために高教を吝まない事を希望する。」

 →立派な教え。他人の教えを敬って言う言い方。

 →ものおしみする。しぶる。けちけちする。1級配当で「リン」「しわ・い」「やぶさ・か」。「吝嗇」(リンショク)、「吝惜」(リンセキ)。


 【二つの手紙】


 ●認める(したためる)

 「更に大胆なるある者は、私の庭内へ忍びこんで、妻と私とが夕飯を認めている所を、窺いに参りました。」

 →食事をする。表外読みですが、「(手紙などを)書き記す」という意味もあることに注意。文意で判断しませう。検定試験では頻出です。

 ●昭代(ショウダイ)

 「どうか昭代をして、不祥の名を負わせないように、閣下の御職務を御完うし下さい。」

 →よく治まっている世。太平の世。

 

【ある日の大石内蔵助】


 ●客気(カッキ)、控制(コウセイ)

 「動もすればはやり勝ちな、一党の客気を控制して、徐に機の熟するのを待っただけでも、並大抵な骨折りではない。」

 →ものにはやる勇気。血気。

 →ひかえとどめること。行動を自由にさせないこと。類義語は「牽掣」(ケンセイ)。

 ●背馳(ハイチ)

 「これは恐らく、彼の満足が、暗々の裡に論理と背馳して、彼の行為とその結果のすべてとを肯定するほど、虫の好い性質を帯びていたからであろう。」

 →反対すること。行き違うこと。「馳」は準1級で「は・せる」。「馳走」(チソウ)、「馳名」(チメイ)、「馳驟」(チシュウ)、「馳騁」(チテイ)=馬を速く走らせること。あるものを支配すること。

 ●慷慨(コウガイ)

 「慷慨家の弥兵衛は、もとより黙っていない。」

 →世の中の不正を憤り嘆くこと。「慷」は1級配当で「なげ・く」。ちなみに「慨」は3級配当で「なげ・く」「いきどお・る」。「悲憤慷慨」(ヒフンコウガイ)。

 ●憫笑(ビンショウ)

 「まして、復讐の事の成った今になって見れば、彼等に与う可きものは、ただ憫笑が残っているだけである。」

 →あわれだとさげすんで笑うこと。また、その笑い。「憫」は1級配当で「あわ・れむ」「うれ・える」。「憫察」(ビンサツ)、「愛憫」(アイビン)、「憫然」(ビンゼン)、「憫諒」(ビンリョウ)、「不憫」(フビン)、「隠憫」(インビン)、「憐憫」(レンビン)。

 ●濫行(ランコウ)、逸聞(イツブン)

 「伝右衛門は、こう云う前置きをして、それから、内蔵助が濫行を尽した一年前の逸聞を、長々としゃべり出した。」

 →「乱交」に書き換え可能。みだりなおこない。不都合な行い。ランギョウ。

 →世間一般に知られていない珍しい話。エピソード。

 ●沈勇(チンユウ)

 「先頃天野弥左衛門様が、沈勇だと御賞美になったのも、至極道理な事でございます。」

 →沈着で勇気のあること。

 ●推服(スイフク)

 「今まで内蔵助の方を向いていた彼は、永年京都勤番をつとめていた小野寺十内の方へ向きを換えると、益、熱心に推服の意を洩し始めた。」

 →偉い人として推し、服従すること。心服。

 ●春宮(シュンキュウ)

 「春宮の中からぬけ出したような、夕霧や浮橋のなまめかしい姿と共に、歴々と心中に浮んで来た。」

 →春の神の宮殿。

 ●駘蕩(タイトウ)

 「そうしてまた、如何に彼は、その放埓の生活の中に、復讐の挙を全然忘却した駘蕩たる瞬間を、味った事であろう。」

 →のどかなさま。のびのびとしたさま。四字熟語に「春風駘蕩」(シュンプウタイトウ)があり。「駘」は1級配当で「のど・か」「のろ・い」。「駑駘」(ドタイ)、「駘銜」(タイカン)、「駘藉」(タイセキ)、「哀駘」(アイタイ)。


 【戯作三昧】


 ●《文身》(ほりもの)、髷(まげ)

 「風呂の中で歌祭文を唄っている嚊たばね、上がり場で手拭をしぼっているちょん髷本多、文身の背中を流させている丸額の大銀杏、…」

 →いれずみ。黥、刺青も。

 →頭頂で髪の毛を束ねて結わえたもの。「わげ」とも。1級配当で「キョク」が音読み。「髷物」(まげもの)、「丸髷」(まるまげ)。

 ●甲斐絹(カイキ)

 「が、黒い垢すりの甲斐絹が何度となく上をこすっても、脂気の抜けた、小皺の多い皮膚からは、垢というほどの垢も出て来ない。」

 →海気(カイキ)のこと。織物の名称で、慶長以前に舶来した。染色した絹練糸で織った平絹で、無地や縞などがある。羽織裏・夜具・座布団・傘地などに用いる。多くは甲斐国郡内地方から産することから「甲斐絹」。

 ●眇(すがめ)

 「湯気にさえぎられて、はっきりと見えないが、どうもさっき側にいた眇の小銀杏ででもあるらしい。」

 →片目がわるい・不自由なこと。1級配当で「ビョウ」「ミョウ」「すが・める」。「眇目」(ビョウモク)、「眇眇」(ビョウビョウ)、「眇然」(ビョウゼン)。〔矯めつ眇めつ〕(ためつすがめつ)=いろいろな角度からよく見るさま。左見右見。

 ●沮喪(ソソウ)

 「というのは、その悪評を是認するために、勇気が、沮喪するという意味ではなく、それを否認するために、その後の創作的動機に、反動的なものが加わるという意味である。」

 →「阻喪」の書き換え字。気落ち。気がくじけ元気がなくなること。「沮」は1級配当で「ショ」「はば・む」。「沮止」(ソシ)、「沮如」(ソジョ)、「沮勧」(ソカン)、「沮色」(ソショク)、「沮泄」(ソセツ)、「沮廃」(ソハイ)。「意気沮喪」(イキソソウ)。

 ●双幅(ソウフク)

 「彼の書斎には石刷を貼った屏風と床にかけた紅楓黄菊の双幅とのほかに、装飾らしい装飾は一つもない。」

 →二つが一対になっている掛け物。対幅ともいう。この場合は、「紅楓」と「黄菊」が対になっている。

 ●読本(よみほん)、合巻(ゴウカン)

 「今年は読本を大分引き受けたので、とても合巻の方へは手が出せそうもない。」

 →江戸中期~後期の小説のジャンル。5~6巻を一編とし、各巻に口絵や数葉の挿絵がある。空想的な構成、複雑な筋を興味の中心とし、仏教的因果応報、道徳的教訓などを内容とする。寛延年間~宝暦年間から始まり、上田秋成、山東京伝、曲亭馬琴らが代表作家。まさに「南総里見八犬伝」に代表される類。

 →江戸後期、文政年間以降に流行した草双紙の一種。従来の黄表紙が5丁を一冊、数冊で一部としていた製本を合冊して一冊にしたもの。それを一部一編として、長いものは数十編にも及ぶ。各ページ絵入りの読み物で、素材、表現ともに実録・読本・浄瑠璃・歌舞伎などの影響が著しい。

 ●髣髴(ホウフツ)

 「そうしてその煙の中に、ふだんから頭の中に持っている、ある疑問を髣髴した。」

 →ありありと思い浮かぶさま。「~とさせる」「~とする」「~する」などの言い方がありますが、どれが正しいのかはよく分かりません。ともに1級配当で「髣髴」でしか使いません。髪かしらではなく行人偏の「彷彿」とも書く。似通っているという意味。

 ●陋(ロウ)

 「馬琴は改名主の図書検閲が、陋を極めている例として、自作の小説の一節が役人が賄賂をとる箇条のあったために、改作を命ぜられた事実を挙げた。」

 →いやしい。品がない。1級配当で「せま・い」「いや・しい」が訓読み。「陋習」(ロウシュウ)、「陋劣」(ロウレツ)、「陋屋」(ロウオク)、「陋居」(ロウキョ)、「陋巷」(ロウコウ)、「頑陋」(ガンロウ)、「愚陋」(グロウ)、「孤陋」「固陋」(以上、コロウ)、「醜陋」(シュウロウ)、「卑陋」(ヒロウ)、「賤陋」「浅陋」(以上、センロウ)、「寒陋」「簡陋」(以上、カンロウ)、「陋宇」(ロウウ)、「陋質」(ロウシツ)、「陋室」(ロウシツ)、「陋宅」(ロウタク)、「陋廬」(ロウロ)、「陋見」(ロウケン)、「陋識」(ロウシキ)、「陋儒」(ロウジュ)、「陋身」(ロウシン)、「陋賤」「陋浅」(以上、ロウセン)、「陋態」(ロウタイ)、「陋薄」(ロウハク)、「陋風」(ロウフウ)、「陋俗」(ロウゾク)。

 ●猥雑(ワイザツ)、誨淫(カイイン)

 「また自分たちが猥雑な心もちにとらわれやすいものだから、男女の情さえ書いてあれば、どんな書物でも、すぐ誨淫の書にしてしまう。」

 →下品でごたごたしていること。雑然としてみだらな感じがすること。「猥」は1級配当で「みだ・りに」「みだ・ら」が訓読み。「猥りがましい」(みだ・りがましい)、「猥賤」(ワイセン)、「猥多」(ワイタ)、「猥褻」(ワイセツ)、「鄙猥」「卑猥」(以上、ヒワイ)、「淫猥」(インワイ)、「醜猥」(シュウワイ)、「猥談」(ワイダン)、「猥本」(ワイホン)。

 →みだらなことを教えること。「誨」は1級配当で「おし・える」が訓読み。「誨育」(カイイク)、「誨言」(カイゲン)、「誨授」(カイジュ)、「誡誨」(カイカイ)、「教誨」(キョウカイ)、「訓誨」(クンカイ)、「慈誨」(ジカイ)、「誨化」(カイカ)、「誨示」(カイシ)、「誨諭」(カイユ)、「誨誘」(カイユウ)。

 ●理路(リロ)

 「そうしてまた、何らの理路をたどらない論弁があった。」

 →物事や話の筋道。「理路整然」(リロセイゼン)。

 ●比倫(ヒリン)

 「自分はさっきまで、本朝に比倫を絶した大作を書くつもりでいた。」

 →なかま。たぐい。ならび。比類。

 ●屑々(セツセツ)

 「が、それだけにまた、同時代の屑々たる作者輩に対しては、傲慢であるとともにあくまでも不遜である。」

 →こせこせと小事にこだわるさま。「屑」は準1級配当で「くず」。「屑然」(セツゼン)、「屑雨」(セツウ)、「不屑」(フセツ)、「玉屑」(ギョクセツ)、「星屑」(ほしくず)。

 ●糸鬢奴(イトビンやっこ)

 「太郎はこう言って、糸鬢奴の頭を仰向けながら自分もまた笑い出した。」

 →江戸初期、元和・寛永年間ころより流行した男子の髪の結い方で、頂を広く剃り下げ、両鬢を細く狭く糸のように残したもの。中間・小者・侠客・俳優らの間で流行。「鬢」は1級配当で「ビン・ヒン」。耳際の髪の毛。「鬢髪」(ビンパツ)、「鬢毛」(ビンモウ)、「雲鬢」(ウンビン)、「霜鬢」(ソウビン)、「双鬢」(ソウビン)、「鬢曾木」(ビンそぎ)。

 ●残滓(ザンシ)

 「ここにこそ『人生』は、あらゆるその残滓を洗って、まるで新しい鉱石のように、美しく作者の前に、輝いているではないか。……」

 →残りかす。また、液体中の澱。ザンサイとも。類義語は「残渣」(ザンサ)。「滓」は1級配当で「シ・サイ」「おり・かす」。「渣滓」(サシ)、「滓穢」(シワイ)。

 

【首が落ちた話】


 ●汗みずく(あせみずく)

 「――こう心の中に繰返しながら、彼は全く機械的に、汗みずくになった馬の腹を何度も靴の踵で蹴った。」

 →汗でびっしょりぬれるさま。あせびっしょり。《汗水漬》を当てることもある。

 ●鶉(うずら)

 「その勢に驚いて、時々鶉の群が慌しくそこここから飛び立ったが、馬は元よりそんな事には頓着しない。」

 →キジ科の鳥。草地に栖む。体は丸みを帯び尾は短く羽は茶褐色で黒と白のまだらがある。肉・卵は食用。1級配当で「ジュン」が音読み。「鶉居」(ジュンキョ)、「鶉斑」(うずらふ)。


 【西郷隆盛】


 ●霙(みぞれ)

 「――と云っても、まだ霙まじりの雨がふる、ある寒さのきびしい夜の事である。」

 →雨交じりの雪。氷雨。1級配当で「エイ」が音読み。「霙酒」(みぞれざけ)。

 ●俥(くるま)

 「本間さんはとうとう思い切って、雨が降るのに荷拵えが出来ると、俵屋の玄関から俥を駆って、制服制帽の甲斐甲斐しい姿を、七条の停車場へ運ばせる事にした。」

 →くるま。人力車。1級配当の国字。「人がひく車」。

 ●辷る(すべる)

 「あるいは白いテエブル・クロオスの上に、行儀よく並んでいる皿やコップが、汽車の進行する方向へ、一時に辷り出しそうな心もちもする。」

 →すべる。なめらかに進む。1級配当の国字。「たいらなところ(一)を行く(辶)こと」。

 ●金釦(きんボタン)

 「が、いい加減な駄法螺を聞かせられて、それで黙って恐れ入っては、制服の金釦に対しても、面目が立たない。」

 →金色の金属製のボタン。男子学生の俗称。「釦」は準1級で「コウ」が音読み。「紐釦」(チュウコウ)。

 ●風骨(フウコツ)

 「――ああその堂々たる相貌に、南洲先生の風骨を認めたのは果して自分の見ちがいであったろうか。」

 →すがた。風姿。風采。

 ●周密(シュウミツ)

 「ところが遺憾ながら、西南戦争当時、官軍を指揮した諸将軍は、これほど周密な思慮を欠いていた。」

 →注意や心づかいなどが細かい所まで行き届くこと。


 【英雄の器】


 ●幕営(バクエイ)

 「彼の顔のまわりには、十人あまりの顔が、皆まん中に置いた燈火の光をうけて、赤く幕営の夜の中にうき上っている。」

 →幕を張りまわした陣営。天幕を張って野営すること。類義語は幃幄(イアク)、帷幄(イアク)。

 ●かずける(被ける)

 「私に云わせると、それが卑怯だと思うのですな、自分の失敗を天にかずける――天こそいい迷惑です。」

 →かこつける。ことよせる。責任などを転嫁する。人のせいにする。

 ●糾合(キュウゴウ)

 「それも烏江を渡って、江東の健児を糾合して、再び中原の鹿を争った後でなら、仕方がないですよ。」

 →一つに集めまとめること。「鳩合」「翕合」ともいう。


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char

Author:char
不惑以上知命未満のリーマンbloggerです。
言葉には過敏でありたい。
漢検受検履歴
2006.3  漢字学習スタート
2006.6  2級合格
2006.10 準1級合格
2007.10 1級合格①
2009.2 1級合格②

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